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フンボルトペンギンの人工授精の技術精度向上に成功しました!!
海響館では、昨年の春にフンボルトペンギンとしては世界初となる人工授精に成功しました。そして、今シーズンも人工授精技術確立に向け凍結精子を用いた人工授精を実施した結果、昨年に続き人工授精に成功し1羽のフンボルトペンギンが誕生しました。昨年に続き成功したことで技術確立に向け一歩前進できたものと考えています。
現在、世界に約18種とされるペンギン類の多くの種類が絶滅の危機に瀕しているなかで、生息域内での保全に加え,精子凍結や人工授精などの生息域外における保全に向けての技術確立も重要となっています。今後も海響館ではペンギン類の保全に関する技術の確立に向け取り組んでいきます。
【今回の意義】
今回の人工授精の成功は昨シーズンの成功に続く再現性というだけでなく、昨シーズンの人工授精が複数回の実施によって成功したものであったのに対し、今回は一度の人工授精の実施による成功で、技術確立に向け大きく前進できたことです。
【ヒナについて】
ヒナ:平成29(2017)年4月11日孵化 (親 ♂ゲンキ×♀ハッピー)
現在、フンボルトペンギン特別保護区でご覧いただくことができます。
【その他】
1) 半永久的に精子保存が可能な凍結精子を用いた成功は海響館とアメリカのシーワールドのみです。なお、海響館が現在把握している限りでは、ペンギン類の人工授精成功の報告はアメリカのシーワールドがマゼランペンギンで、大阪の海遊館がイワトビペンギンの報告があります。
2) フンボルトペンギンはIUCNのレッドデータブックでVulnerable(VU)〈絶滅危惧Ⅱ類:絶滅の危険が増大している種であり〉に指定され、CITES(ワシントン条約)においても附属書Ⅰ〈今すでに絶滅する危険性がある生き物〉に掲載されています。
3) 海響館とチリ国立サンチアゴ・メトロポリタン公園は互いに協力しチリでのフンボルトペンギンの飼育下繁殖を支援し、野生地での研究や保全に貢献していく国際協定を結んでいます。ペンギン村温帯ゾーンの一つ「フンボルトペンギン特別保護区」での飼育・繁殖技術をメトロポリタン動物園に反映させ、ひいてはフンボルトペンギンの保護にも資することを目的とすることから、チリ国立サンチアゴ・メトロポリタン公園より「生息域外重要繁殖地」の指定を受けています。