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Vol.203 外科医

 

 通称 [ドクターフィッシュ]といわれるお医者魚がいる。専門は内科でなく皮膚科のようである。リゾート温泉などでフィッシュ・セラピーとして宣伝していて、女性に人気があるらしい。コイ科の淡水魚「ガラ・ルファ」。人間の古くなった角質を食べる習性があり、それによってアトピー性皮膚炎など皮膚病の治療効果があるとされている。一度、街の温泉で見たことがある。足湯のようなところにメダカのような魚が群れをなしていた。足を浸けると古い角質を小さな口でつっつく。体験したことはないが、多分癒し効果もあるのではないだろうか。

 実は、海響館に外科医(surgeon)がいる。と言っても病気の魚やイルカを包丁で外科手術するわけではない。ニザダは往時の勢いは見られないが、そんな中で、ナンヨウハギを見て「ドリーだ!」と叫ぶ子供さんは、将来、間違いなく「さかな君」だ。

 ニセカンランハギが、となりの暖かい海の生き物水槽にいる。同じくニザダイの仲間で、サージョンフィッシュ(外科医魚)である。ニセといっても偽外科医ではない。どこかの世界では偽医者がしばしば横行しているが、魚類の世界ではニセとは言え全て本物の外科医魚である。ニセは「似ているが多少違う」くらいの意味で使われているようだ。

 突然、知人から届いた「あくあはーつ通信200回記念」グリーティングカードには本当に驚いた。200回の認識がなかったのでビッグ・サプライズだった。実は、そのカードに添付されていた群れで泳いでいる明るい青色の魚の写真はサプライズ2だった。熱帯の魚のようだが、初めて見る魚である調べてみて英名「Powder Blue Surgeon Fish」という外科医魚であることを知った。上記のナンヨウハギの英名に「パウダー」が冠された魚名だが、明るく穏やかな色合である。パウダースノーと同じで、さらさら感があり群泳していると、名前の通りパウダーブルーが素晴らしい。旅することで有名なチョウ:アサギマダラが、今年も10月中旬、庭のフジバカマに訪問があったが、このチョウの浅葱色を更に淡くしたような色彩だ。標準和名は無いようなので通称「アサギハギ」はどうだろうか。

 最近、サンゴ礁の生き物水槽に新入りしたシマハギ(convict surgeon fish囚人外科医魚)もニザダイの仲間だ。囚人がナイフを持っているとは穏やかでない。魚には何の罪もないにヨコジマ模様が囚人服に見えるのが、英名の由来だろう。シマ模様といえば、阪神タイガースのユニホームのイメージしか浮かばないのだが・・・・・。海響館で展示された外科医魚は、他にもキイロハギ、ミヤコテングハギ等がいる。外科専門医病院のようだが、未だ“手術”をしている場面に出会ったことはない。

イの仲間で、いわゆるサージョンフィッシュ(外科医魚)である。尾びれの付け根近くに“執刀用”のナイフを持っている。中にはジャックナイフのように、必要な時にだけ出てくるリトラクタブル(格納式)の外科医魚もいるらしい。

 サンゴ礁の生き物水槽のナンヨウハギ(英名:Blue Surgeon Fish)もその仲間で、濃い青色を背景に、眼から尾にかけて太くゆるやかな黒色の曲線がはいっている。この曲線が数字の6のような形をしているのですぐに見分けられ、黄色の尾ビレとともに遠くからでも目立つ。一時、映画「ファインディング・ニモ」(2003年)のドリー役で有名になったが、主役のニモ(カクレクマノミ)には及ばなかった。当時、ニモは幼稚園児や小学生には抜群の人気があり、将来、ニモが標準和名になるのではと思われるほどだった。最近サンゴ礁の生き物水槽に新入りしたシマハギ(convict surgeon fish囚人外科医魚)もニザダイの仲間だ。囚人がナイフを持っているとは穏やかでない。魚には何の罪もないにヨコジマ模様が囚人服に見えるのが、英名の由来だろう。シマ模様といえば、阪神タイガースのユニホームのイメージしか浮かばないのだが・・・・・。海響館で展示された外科医魚は、他にもキイロハギ、ミヤコテングハギ等がいる。外科専門医病院のようだが、未だ“手術”をしている場面に出会ったことはない。

 

解説ボランティア:唐櫃 山

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