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あの高級魚の漁に乗船してきました

こんにちは!釣り大好きスタッフの川島です!先日釣り船に乗船する機会があり、そのお話をしたいと思います。

その乗船した船というのは北九州で行われているトラフグ漁船です。

トラフグ漁は全国各地で行われていて延縄という方法が多いようですが、北九州のトラフグ漁は特殊で、なんと一本針の手釣りによって漁獲されるというのです。

釣りに使う仕掛けの詳細は門外不出となっているため紹介できないのですが、エサでおびき寄せたトラフグを大きなハリで引っ掛けるといった釣り方をしていました。山口県ではこの引っ掛け釣りは禁止されているため、北九州の漁師さんの船でないと見ることができません。

当日の集合は朝の4時。まだ暗い時間から漁師さんたちが出港の準備をしていました。この漁を行うには漁協への登録が必要なため誰しもができるわけではありません。現在登録されているのは60隻ほどだそうです。

漁を行うのは関門海峡のど真ん中で、海響館からも見える範囲で行っていました。関門海峡はとても速い潮流があることで有名なため漁を行うには不向きだそうですが、トラフグの集まる漁場とあって、漁を行うポイントに着くとたくさんの漁船がひしめき合っていました。他の船との距離は近い時で3メートルほどしかない瞬間もあり、殺伐とした雰囲気で漁が始まりました。

流れの上流に船をつけて流れと一緒に船を流し、下流まで流しながら釣るという方法で釣りをしていきます。トラフグは大きいため魚群探知機に映るそうで、ひたすらにトラフグの魚影の濃いところを探していました。

漁を行っている間は左手で操船、右手で釣りとややこしくなってしまうようなことをしていましたが、漁師さんに聞くと「やっているうちに慣れた」とのことで、さすがとしか言いようがありません。技術の問われる漁だと感じました。

釣れなければ移動をひたすらに繰り返し、明るくなった頃には周りの船もいろいろな方面に散らばっていました。海響館の目の前で漁をしている船もあり、普段仕事をしているときに謎の船団をよく見ていたのですが、まさかトラフグ漁をしていたとは…答え合わせができました。

トラフグのアタリは手元までブルブルっと伝わるらしく、素早くアワせてトラフグを引っ掛けます。外道としてシマフグが釣れることもあるそうです。

関門海峡の潮流は一日に4回変わるため、流れの向きや速さもポイント選びのカギとなるとのこと。

あまりに流れが速すぎても砂に潜ってしまいエサを食べず、反対に緩すぎても活性が低くなってしまいエサを食べないらしく、いわゆる「時合」を狙うことが大事だそうです。

この日漁から上がったのは12時ごろでしたが、日によっては夕方まで行うこともあるそうです。一瞬も気の抜けないとても過酷な漁でした。

この日の釣果は3匹。とても少ないように思えますがトラフグは1匹1万円ほどで取引されることもある高級魚なため漁師さんは一安心といった様子でした。

日本でも北九州だけでしか見ることのできないトラフグ漁、貴重な経験をさせていただきました。

魚類展示課 川島登史宗

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