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水槽掃除で拾ったサメ・エイの歯

水槽の掃除の際に水槽の底でこのような歯を拾うことがあり、密かな楽しみになっています。写真を見ると形や大きさが様々なことが分かります。

①どの種類のサメ・エイの歯?
それぞれ種類によって形が異なります。海響館の水槽で拾える歯にはツマグロの尖った歯、ネコザメの小石のような歯、トビエイの角ばった歯があり下側はV字状、上側は直線的という上下で違った形をしています。ツマグロの歯はサメの歯のイメージ通りの鋭い形をしていますが、ネコザメとトビエイの歯は少しイメージし辛いかもしれません。そこで、一つ一つの歯ではなく顎全体を見るとどういった目的の歯でそのような形をしているのかが、少しイメージしやすくなるのではと思います。

ツマグロは食いちぎるのに便利な口でネコザメの顎は奥の方に小石のような歯が並び硬いものをつぶすのに適した口で、別名「サザエ割」と呼んだりすることもあります。トビエイの口は角ばった歯が板のように並び貝などをバリバリ割って食べるのに便利です。

②何本生え変わるのか?
硬いものを食べると歯は摩耗してしまうため、多くの人が知るようにサメの歯は生え変わります。「一生歯が生え変わる」という言葉をよく耳にしますが、それはいったい何本くらいの歯が生え変わるのでしょうか??少し気になったので、ネコザメについて調べてみました。方法はいたって簡単で、水槽内に抜け落ちたネコザメの歯をすべて回収し、その本数を調べることです。そして、変温動物であるネコザメにとって水温は体の代謝に大きく影響があるはずなので、水温と歯の生え変わりの関係を調べました。

水温が13℃の時は1日あたり0.26本で26℃の時は1.52本でした。水温によってかなり生え変わりの頻度が違うことが分かりました。それでは1年間では一体何本歯が生え変わるか?毎月の平均水温から求めると279本となり寿命が12年と言われるネコザメの場合はおおよそ3276本の歯が一生で生え変わるということが分かりました。

魚類展示課 久志本鉄平

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