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夏に刺されるクラゲの正体は・・・!?
気温25度以上を記録する日が多くなってきて、海に出かける人も増えてきたのではないでしょうか。海といえば何を想像しますか?忘れちゃいけないのが「クラゲ」です!ということで、今回はこの夏出会うかもしれないクラゲを紹介したいと思います。
アンドンクラゲです。箱虫鋼というグループに属し、名前の通り箱型をしていて、箱の四隅から長い触手が4本でています。海水浴に行って、クラゲに刺された!!という経験はありませんか?日本の沿岸の海岸だったら、犯人(犯クラゲ?)はアンドンクラゲかもしれません。では、いったいどうやって人間を刺しているのでしょうか?
〇どこに毒針があるの?
アンドンクラゲの場合、4本ある長い触手と、傘の表面にある白い点のところに「刺胞」という毒針があります。
アンドンクラゲの傘の大きさは5cm程度なのに、触手は30~60cmもあります。しかもとても細く、海の中ではよくわかりません”(-“”-)”クラゲなんて見なかったのに気が付いたら刺されていた…なんて時はきっとアンドンクラゲの触手にあたってしまったのでしょう…。
〇どうやって刺すの?
刺胞には、センサーの役目をする「刺針」という針があります。この刺針に刺激が加わると、「刺糸」とよばれる糸と、「剣状棘」という刺すための針が、獲物に向かって飛んでいきます。そして、糸を伝って毒が注入されていくのです。
この刺胞は使い捨てで、一度使ったらまた新しい刺胞を作ります。なので、間違って刺してしまうともったいないので、まずは少数の刺胞を発射してみて、獲物の傷口からでる物質を感じ、さらに発射するという、なんとも効率的な仕組みを持っているのです。
〇刺されるとどうなる?
アンドンクラゲの場合、死に至ることはないとされていますが、刺されるとピリピリと強い痛みを伴い、ミミズ腫れになってしまいます。そしてやっかいなことに、ちぎれた触手でもしばらくの間、毒針を発射することができます。さらに、直接クラゲに触らなくても、近くにいるクラゲが発射した毒針が海の中を漂っていて、それに当たって刺されてしまう場合もあります。
〇刺されてしまったら?
どんなに気を付けていても、刺されてしまうことはあります…。そんなとき、どうしたらよいか?ここからは対処法のお話です。
クラゲの種類によって毒の強さ・毒の種類も違いますし、状況によって対処は変わってきますが、基本的に、刺されてしまった場合、こすったり水道水で洗ったりしてはだめです!のこっている毒針を刺激してさらに発射させてしまいます。触手が残っている可能性があるので、海水でそっと流しましょう。お酢をかけるという方法もありあすが、クラゲの種類によってはさらに刺胞を発射させる刺激になってしまうこともあるので、注意が必要です。残念ながら、クラゲの毒に効くという薬はほとんどないのです…。
クラゲに刺されたら、痛くても触らないこと!痛くて耐えられないときや、痛み以外に呼吸困難や発熱の症状があるなど、異常を感じたらすぐに病院へいきましょう。どんなクラゲに刺されたか、病院の先生に伝えられたらなお良いです。
ちょっと怖いお話をしましたが、クラゲには魅力的なところもたくさんあります!きれいな色のクラゲ、とてつもなく大きなクラゲ、泳ぎ方がおもしろいクラゲ…世界にはいろいろなクラゲがいます!是非この夏、海を漂うクラゲたちの姿にも目を向けてみてくださいね!
くれぐれも、毒針にはご注意を…!( ˘•ω•˘ )
※参考文献
平山ヒロフミ(2013)「くらげる クラゲLOVE111」 山と渓谷社
ジェーフィッシュ(2006)「くらげの不思議」 技術評論社
魚類展示課 園山はるか