亜南極ゾーンでは、ジェンツーペンギンに続き、マカロニペンギンの換羽（全身の羽毛が生え変わること)が始まっています。 換羽の時期は、1年の中で最も体重の変動が大きい時期でもあります。換羽が始まると、終了するまでのおよそ20日間（マカロニペンギン）は冷たい海水から身を守る羽毛が生えそろっていないため、泳いでエサを採ることができずに絶食して過ごします。その絶食期間に備えるため、換羽前はたくさんエサを食べて、エネルギーをしっかり蓄えた状態で（太って）換羽に臨むのです。

　こちらはマカロニペンギンの“ぱく（♂）”です。普段の体重は4.6kgくらいなのですが、換羽が始まったこの日の体重は6.54kgでした。およそ1.4倍です。これから絶食しながら換羽の期間を経て、元の体型に戻るというわけです（実際には一旦痩せてから、エサを食べ始めて体重が戻ります）。

　見た目がふっくらしているのは、羽毛がぼさぼさしていることもありますが、体重の変化という秘密もあるんですよ。 ※ぼさぼさのペンギンを見たお客様から「赤ちゃんペンギンだ」との声を時々聞きますが、ペンギンにとってとても大切な“換羽”であることを知っていただければと思います。

（by 里村）