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生き物はどこからやってくるのか

皆様こんにちは!お魚探検隊員の柿野です。皆さんは水族館の生き物たちはどこからどのようにやってくるかご存知でしょうか?答えは…色々です!私たち飼育員が海や川へ出かけ、網や釣りなどで捕獲したり、海外や遠くの地域にいる魚などは専門の業者から購入したり、あるいは他の水族館から譲り受けたり、預かったり、繁殖して増えたりするなど様々です。海響館の一番大きな水槽である関門海峡潮流水槽には、山口県内で獲れた魚が沢山泳いでいます。県内の様々な魚などは地元の漁師さん達の協力により集められており、同時に最近の海や魚のたくさんの情報も教えてくれます。こうして集めたい生き物がよく獲れる季節に、一番適した漁を行っている漁師さんに連絡をします。例えば、コウイカなら籠網漁という漁法、深海の生き物は沖合底曳網という漁法でよく獲れるなど、漁の種類や海域、季節によって、獲れる生き物は全然違います。

今回は私がその中で2種類の漁法について少しだけ紹介していこうと思います。まず1つ目が定置網漁です。定置網はその名の通り決まった場所に仕掛けておく大型の仕掛けで、魚が奥に行けば行くほど逃げにくくなり、何人もの漁師さんが一斉に網を絞りながら、一番奥のところに魚を追いやり、最後はたも網などですくい揚げる漁です。その特徴として、魚が網の中で自由に泳げるため、傷が少なく元気な状態で漁獲することができることです。山口県の定置網漁は日本海側の長門市や萩市が盛んで、様々な生き物が漁獲され、遊泳力の高いブリやカンパチ、ヤリイカやケンサキイカなどのイカ類、ときには大型のサメなども漁獲されることがあります。漁は夜中に行われ、市場の朝のセリまでには水揚げされます。

次に紹介するのは底曳網です。底曳網もその名の通り、海の底、つまり底で生活をするクルマエビやハモ、オニオコゼなどが漁獲されます。底の泥などごと引きながら漁獲する為、定置網に比べると生物はやや擦れることが多いですが、体の頑丈なエビやカニの仲間は網揚げ後も元気に動きます。操業は場所や規模にもよりますが1人で行う個人の漁師さんも多く、昼過ぎから翌朝のセリまで長時間にわたる作業がほとんどです。操業する場所は網が引けるように、岩がゴツゴツしている場所ではなく一面泥や砂地のような場所です。そんな場所では多種多様な生き物たちがすんでおり、おもしろい生態を持つものも沢山います。砂地や泥地にはヒトデやウニなども多く潜っており、網を揚げると沢山の姿が見られます。ウミサボテンやウミエラの仲間などは一見すると生き物かどうかも怪しい見た目です。2017年1月現在2階展示エリアで展示中ですので、是非じっくりご覧ください。

漁師さんからいただいた生き物たちは海響館の保有する活魚トラックにより運ばれ、長いときには1日以上かけて現地から運びます。時々途中で様子を見ながら、傷のある生き物がいる場合は薬を入れながら館まで運び、水温などを合わせたうえで、丁寧に搬入します。
もし道で見かけた際は、何かしらの生き物を運んでいる途中かもしれませんよ。

 

展示部魚類展示課 柿野敦志

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