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魚界のへんてこスイマー
海中をスイスイと気持ちよさそうに泳ぐ魚たち。皆さんも「魚のように自由に泳げたらなぁ…」と思ったことありませんか?ただ、魚の中には「なぜこんな泳ぎ方をしているんだろう?」と不思議になるような、へんてこな泳ぎ方をする種類がいます。今回はそんなちょっと変わった泳ぎ方をする魚たちを紹介いたします!
選手№1「アオギハゼ」
最初に登場するのは、2階サンゴ礁の小さな生き物水槽からエントリーのアオギハゼです!「あれ?写真の向きが間違ってる・・・?」と一瞬思ってしまいそうですが、こちらのアオギハゼは、なんと頭を上に向けて泳ぐんです!自然界では岩のくぼみや洞窟などの暗い場所に群れで生活していますが、みんなそろって立ち泳ぎや、お腹を上に向けて泳ぎます。そんな「上を仰いでいる」様子から、このアオギハゼという名前が付いたようです。
選手№2「ヘコアユ」
続いて登場するのは、2階サンゴ礁の生き物水槽からエントリーのヘコアユです!こちらももちろん写真の向きが間違っているわけではなく、ヘコアユは頭を下にして逆立ちしたまま泳ぐ魚なんです!!
そんな恰好で上手に泳げるのか?と思うかもしれませんが、縦向きに泳ぎやすいように、ヒレが体の後方にまとまって付いています。また、泳ぎ方も変わっていて、波に漂うように右へ左へゆらゆらと泳ぎます。何匹かの群れでまとまってゆらゆら泳ぐ様子は、まるでシンクロナイズドスイミングを見ているようです。
選手№3「クロサギ」
最後の選手は2階アマモの海水槽からエントリーのクロサギです!写真を見る限りでは普通の魚にしか見えませんし、尾びれを使って泳ぐ姿も普通の魚と変わりませんが…。何がへんてこなのかというと、スィー…ピタッ‼っと、泳いでいる状態からその場に急停止し、ぶれることなくその場でホバリングします。
つまり、泳ぐ→急停止&ホバリングという泳ぎ方をします。(陸上の生き物だと、ハチドリやトンボに近い動き方です)。皆さんは泳いでいる状態から止まろうと思っても、自らが作った流れで前に進んでしまい、その場には止まれないですよね。クロサギがどうやって急停止しているのか、詳しいことは分かりませんが、他の魚と比べて「8の字を描きながら早く動く胸ビレ」に秘密があるのでは…と思っています。
ここまで、特徴的な泳ぎ方をする魚の紹介をしてきましたが、普通に泳いでいるような魚でも、よく見ると泳ぐときに使うヒレが違ったり、ヒレの動かし方が違ったりと、魚の種類によって泳ぎ方は少しずつ異なります。皆さんも魚の色や形だけでなく、「泳ぎ方」に注目して水槽を眺めてみてはいかがでしょうか?
魚類展示課 笠井未来