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第228回「どこから飛び出す?」

 イルカのジャンプと一口に言っても、海響館では背中を上にした水平ジャンプや、お腹を上にした背面ジャンプ、横向きに回りながらジャンプするスピンジャンプ、体を水面に打ちつけるブリーチなど、ジャンプの種類が数多くあります。そんなたくさんのジャンプ、実はそれぞれ飛び出す位置が決まっているんです。飛び出す位置をトレーニングによって決めることでイルカが十分な力を発揮して良いジャンプが出来るようにしており、そのためには適切な助走がとれるように合図を出す位置も決めています。

 例えば、背中を上にした水平ジャンプ(海響館ではバウジャンプと呼びます)は、写真1の白い丸と赤い丸の2ヶ所で交互にジャンプをするようにトレーニングしています。

 この2ヵ所でジャンプするために、写真2ので示した白と赤の範囲で合図を出します。
ステージの白色の位置から合図を出すと反対側の白い枠の位置から飛び出し、赤色の位置から出すと赤い枠の位置から飛び出すようにし、その後の連続ジャンプは端と端を飛び出すようにしています。

 今回はバウジャンプについてお話しましたが、このようなトレーニングは全てのジャンプで行っています。といっても、もちろん元気いっぱいにジャンプするのはイルカ次第。イルカたちが好んでジャンプをするように、そして体を動かすことでエネルギーの発散ができるようにと仕向けるのが私たちトレーナーの役割の一つです。一見細かいように感じられますが、動物たちが安全に、そして最大限の能力を発揮できるようにするために、トレーニングを行うことが大切なのです。

海獣展示課

髙橋 紘香

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