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第216回「新しいパフォーマンス完成間近!」

 アシカの「デイニー」は現在、プールの中央付近に吊り下げられたボールに向かって水中から飛び出すボールジャンプというパフォーマンスのトレーニング中です。

 今回は、そのボールジャンプが出来るようになるまでのトレーニングの様子をご紹介します。

 まず始めに、ボールへタッチすることを覚えてもらいました。水面から顔を出しているデイニーの鼻先にボールを持っていき、タッチしたところで褒めます。すると「ボールにタッチしたらいいのか!」と理解し、ボールを少しずつ高いところに出しても、自らジャンプしてタッチできるようになりました。

 次は、離れた場所に吊り下げられたボールにタッチするトレーニングです。ここで重要なのは、高くジャンプするために水中に潜って助走をとること。ところが、水面上に見えているボールへタッチしようとしているデイニーは、ボールへ向かう最短ルートをとるため水面を泳いでいくことが多く、水中に潜って助走をとることを理解させるのがこのトレーニングで一番苦戦した所でした。

 水中に潜って助走をとることを理解させるために行ったトレーニングは、下の写真左側のようにプール際でデイニーに待っていてもらい、プールを挟んで離れた場所にいるトレーナーが「トレーナーの元に来る」という合図を出して(写真右側)自然と水中に入るようにしました。そして、水中に潜ってからトレーナーのもとに行くことを褒めることで「水中に潜って目標の場所に行く」ということを理解してもらいました。水中に潜ることを理解したら、トレーナーのもとにボールを登場させ、そのボールにタッチしたところで褒めます。そうすることで、「水中に潜ってトレーナーの元に来る」というデイニーの理解が「水中に潜ってボールにタッチしに行く」という理解に変わっていきました。

 「水中に潜る」、「ボールにタッチする」この二つの動きを組み合わせてボールジャンプができるようになったのです。

 ここまででボールジャンプという行動の基本は完成です。ここからはボールの高さを上げていき、さらに高いボールジャンプができるようにトレーニングを続けていきます。新しいことに挑戦し、上手くいかないこともたくさんありましたが、できるようになった時は嬉しいものです。これからもデイニーは色々なことに挑戦し続けます。

海獣展示課

一木 晴花

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