menu

loading...

第214回「更に…魚をプレゼント!?」

 イルカアシカ情報第191回で、アシカが魚をくわえる・鼻の上に乗せるパフォーマンスのお話をしました。今回はその発展形、「魚をくわえてイルカにあげる」トレーニングの様子をお話ししましょう。

 この魚をくわえるというパフォーマンスは、トレーニングをする中で動物がエサだけに集中しすぎないよう、あえてエサをくわえさせることで、過度に欲しがる行動を減らすことを目的としたものです。

 いつもは自分が食べるはずの魚をくわえて、更にイルカにプレゼントするということを理解するのは、アシカにとってはとても難しく、トレーニングは少しずつ細かい手順で行っていきました。

 まずはプラスチック製容器の蓋や木の板などの魚ではない「物」をくわえることを理解させ、それができたら「物」を「魚」に変えて、魚をくわえることをトレーニングします。くわえさせる魚も一つの道具として認識させ、徐々に魚をくわえる時間を長くしていきます。次に、くわえている魚を放すように、口を開けるというトレーニングを行います。トレーナーが手を出したら口を開けて魚を放すことを理解させます。

 そこまでできたらイルカの登場です。しかしすぐに魚をイルカにあげるのではなく、まずは水面上に顔を出しているイルカにアシカが顔を近づけるというトレーニングをします。アシカもイルカもお互いを怖がっていたら魚をあげるということにつながらないので、これは大切な手順なんです。この状況に慣れたら、アシカに魚をくわえさせ、トレーナーが手で誘導しながらイルカの口元に魚を放すように合図を出します。そして、トレーナーが魚を放すように出していた手の合図を、徐々により簡潔な「イルカに指をさす」という合図に変えていくことで、皆様にご覧いただくパフォーマンスへと仕上げていきました。

 毎回ではありませんが、イルカとアシカの共演ショーでこのパフォーマンスを行うことがあります。しっかりプレゼントできたら、アシカとトレーナーがトレーニングを積み重ねた結果ですので大きな拍手を送ってあげて下さいね。

海獣展示課

田代 真菜

PAGETOP