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第205回「毎日がサプライズ?」

 海響館は1年365日開館しており、イルカとアシカの共演ショー「アクアシアター」を毎日開催しています。ショーと聞くと、動物たちはパフォーマンスをやらされているというネガティブなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、実は動物たちが考えたり、体を使ってエネルギーを発散したりする時間であり、飼育している動物が健康でいるためにとても大切なものなのです。しかし、そのショーが毎回同じことの繰り返しだと、動物たちにとっては刺激の少ない、つまらないものになってしまいます。そのため、海響館ではショーで行うパフォーマンスの内容や順番をがちがちに決めないこと、どの回のショーにどのイルカと一緒に出るのかをランダムにすること、まだトレーニング中のパフォーマンスも盛り込むことなど、毎日のショーに少しずつ変化をつけるようにしています。

 実はこの変化をつけるということは、ショー開始時間の前から始まっています。それは、ショーに出演する個体としない個体を分ける方法です。海響館のイルカプールは、ショーを行うメインプールと控えのサブプールがあり、水路でつながっています。ショー開始時間の20分程前からショーに出るイルカたちをメインプールに、出ないイルカたちをサブプールに移動するのですが、これもワンパターンにならないよう工夫しているのです。全頭がメインプールに集合してからショーに出ないイルカたちをサブプールに移動する、逆にサブプールからメインプールに移動するという2つのパターンに加え、トレーナーについてプールを移動する方法と、「別のトレーナーのところに行く」という合図をイルカに出して移動する方法も組み合わせることで、動物たちが飽きずに常に積極的であるようにしているのです。

 今回は、あまり皆さんにお伝えすることのないショーの裏側を少しだけご紹介しました。トレーナーはこの他にも日々工夫し、動物たちの生活に刺激を増やすことで、生活の質がより良くなるようにたくさんのエネルギーを注いでいます。それが少しでも皆さんに伝わればと思います。

海獣展示課

墨 則和

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