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第196回「アザラシの歯磨き!?」

 海響館では、定期的にトレーナーがアザラシたちの歯磨きを行っています。それだけを聞くと、「アザラシに歯磨きがいるの?だって野生のアザラシは歯磨きなんてしないのに。」と思われた方もいるかもしれません。しかしこの歯磨きには、ちゃんと理由があります。歯を綺麗にするというのも一つですが、歯茎に刺激を与えて歯茎を引き締めるという理由もあります。野生のアザラシは生きていくためにエサである魚を捕まえる時に歯を使い、捕まえた獲物を丸飲みにして食べています(引きちぎって飲み込む場合もあります)。しかし、海響館ではトレーナーの手元からエサをもらってそのまま飲み込んでいるため噛むということをしません。そこで歯と歯茎の健康を守るため、歯磨きが必要になってくるのです。アザラシにも人間と同じように、歯槽膿漏や歯肉炎のような病気があり、それらを防ぐためにも歯磨きは重要です。

 とはいえ、アザラシたちは最初から歯磨きをさせてくれるわけではありません。歯や歯茎にブラシが当たるのに違和感があるのは当然で、歯磨きをするためのトレーニングが必要になります。口を開けておくことから始まり、口を開けたままで歯ブラシを当てる、歯ブラシを少し動かす、そして最後には歯ブラシで歯や歯茎を磨くというように、少しずつできるようになります。

 歯磨きは、アザラシたちが健康に海響館で過ごすために欠かせない健康管理の一つなのです。

海獣展示課

田代 真菜

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