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イルカの行動
野生のバンドウイルカは群れで生活を送っており、イルカ同士でいろいろな行動をしています。それらの行動にはそれぞれ役割やその行動を行う理由がしっかりとあります。イルカたちの行動としてよく知られているものの一つが「ラビング」です。「ラビング」とは、胸ビレで相手の体を擦る行動で、体をきれいにする役割や喧嘩の後の仲直りの役割をしています。
今回は、ラビング以外で野生のイルカでも見られ、海響館のイルカたちも頻繁に行っている行動の「並泳」と「同調呼吸」、そして時々行っている「隊列遊泳」を紹介したいと思います。
近い距離を保ちながら一緒に泳ぐ行動を「並泳」といい、また同じタイミングで距離を保ちながら呼吸することを「同調呼吸」といいます。
これらの行動は、親和的行動といわれ、個体同士の結び付きが強く親しい関係性の個体で行うと考えられています。ペアは日によって様々ですが、海響館では2頭のイルカが並泳しているところをよく見かけます。(時々、3頭のイルカが並泳している時もあります!)
また、並泳している様子を観察していると、このような行動も見つけました!
一見並泳のようにも見えますが、尾ビレに注目してご覧ください。
イルカは泳ぐ際、尾ビレを上下に動かし水を掻いて前に進みますが、この動画では片方のイルカは尾ビレをほとんど動かしていませんがしっかりと前に進んでいます。
この行動は「隊列遊泳」と呼ばれ、2頭~数頭のイルカが近い距離で泳ぐことで水の抵抗を軽減でき、少ないエネルギーで泳ぐことができるのです。魚でも見られる行動で、イルカでは母親と子どものイルカ(抱っこ泳ぎとも呼ばれます)でよく見られます。
片方のイルカが引っ張ってあげているようにも見えますよね!
1階のイルカプールガラス面からだとイルカたちの様子がよく見えます。皆さんも是非イルカたちが何をしているのかな?とじっくり観察してみてください。
海獣展示課
金山 彩女