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イルアシコラボ 練習中!

 海響館の特色となっているイルカとアシカの共演ショー。その中の目玉の一つが海響館オリジナルパフォーマンス「イルアシコラボ」です。「イルアシコラボ」とは、ヒト(トレーナー)が合図を出すのではなく、アシカからイルカ、イルカからアシカというふうに動物が動物に合図を出してパフォーマンスを行うというもので、最初にやり始めてからもう10年目になります。少しずつ新しいものを取り入れ、今では6種類のパフォーマンスができるようになりました。そして、また新たな「イルアシコラボ」に取り組んでいるのでご紹介します。

 目指す完成形は、アシカが頭を下げること(お辞儀のような行動)が合図で、イルカがガラス面に向かって垂直ジャンプをするというものです。今年(2023年)の4月からトレーニングを始めましたが、これまでのイルアシコラボの積み重ねの効果で、垂直ジャンプはすぐに完成したかのように思えました。しかし、以前から行っていたイルアシコラボのジャンプのひとつ「スピンジャンプ(横に回転しながらジャンプする)」と今回新しく加えた「垂直ジャンプ」をランダムに行ってみると、イルカたちは混乱してどの合図でどのジャンプをすればいいのか分からなくなってしまいました。「垂直ジャンプ」の意識が強くなってしまったのか、「スピンジャンプ」を飛んでほしい時も「垂直ジャンプ」を飛んでしまうのです。

以前から行っているイルアシコラボ(スピンジャンプ)

新たなイルアシコラボ(スピンジャンプの予定が垂直ジャンプに)

 それでも、トレーナーがいろいろときっかけ(ヒント)を与えながら、イルカたちも試行錯誤を重ねた結果、トレーニングを開始してからおよそ半年が経過した時には、かなり精度があがり、今ではショーの中にも取り入れています。今でもまだ100%の正解率ではなく、時々「スピンジャンプ」になってしまいますが、イルカたちは自信満々!そんなパフォーマンスのバリエーションを皆さんに楽しんでいただければと思います。

新たなイルアシコラボ(垂直ジャンプ成功)

 ちなみに、このように動物が新たなことに取り組む機会をつくること、動物が考えるきっかけをつくることは、健康維持にとても大切なことなのです。そのため、「ショーのため」ではなく、「動物のため」に私たちはバリエーションをどんどん増やすようにしているのです。

海獣展示課

西田有里

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