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イルカの睡眠

 

 水族館で片目を閉じて泳いでいるイルカを見たことはありますか?実はそのイルカは眠っている最中かもしれません。イルカは“半球睡眠”といって、右目を閉じている時は左脳、左目を閉じている時は右脳を休ませ、浅い睡眠を何度も繰り返し脳を休めています。この半球睡眠は鯨類だけではなく、長距離移動し続ける渡り鳥などでも見られる睡眠方法です。

 鯨類が半球睡眠をとっていることは今ではよく知られていることですが、その理由についてははっきりしておらず、一つは睡眠中(休息中)も呼吸ができるという点で役立っているようです。イルカは私たちと同じ哺乳類で、肺呼吸をしています。私たちは寝ている間も無意識に呼吸をすることができますが、イルカはそうではなく意識的に呼吸をする必要があります。イルカの鼻(噴気孔)は頭の上にあり、水面まで泳ぎ噴気孔を水面上に出さないと呼吸ができません。半球睡眠をすることで、睡眠をとりながら泳ぐことができるため、呼吸を忘れて溺れてしまうということはないのです。※イルカの噴気孔については第235回イルカアシカ情報に詳しく載っています。

 海響館のイルカたちは、水面にぷかぷか浮かびながらじっとしていたり、プールの底に沈んでいたり、目を閉じながらゆっくり泳いだりさまざまです。館内1階のイルカが見える水槽では、イルカたちの様子をしっかり見ることができるので、是非イルカたちの目にも注目して観察してみてください。開館直後や閉館間際のイルカたちは、まったり気分なのかよくガラスの前で沈んで過ごしているのをよく見かけます。もしかしたら眠っているイルカを見ることができるかも?しれません。

海獣展示課

薮亀 晴花

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