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海獣類のエサ

 よくお客様に、「イルカは何を食べているの?」と聞かれることがあります。海響館の海獣類(イルカ、アシカ、アザラシ、スナメリ)はマサバ、マアジ、マイワシ、カラフトシシャモの4種類の魚を年間約60t(60,000㎏)食べています。エサの話で一番重要なのは品質!私たちヒトが鮮度の悪い食べ物を食べるとお腹を壊したり病気になったりしますが、それは動物も同じです。なので、動物たちに与えるエサの鮮度・品質にはとても気をつけています。具体的にどのようにしているか、海獣類のエサを例に紹介しましょう。

 海獣類に使用するエサは全て冷凍の物です。長期間鮮度を保つことができること、安定した入手ができること、寄生虫の感染症を防ぐことができることなどが理由で、新しい物を購入する時は必ずサンプルを取り寄せて検品をしています。その方法は、視覚、嗅覚、触覚を使った官能検査(かんのうけんさ)です。海響館ではロット(同じ条件で製造された製品)毎になんと12項目のチェックをして、品質に問題ないかを判断しています

 まずは、目のチェック。魚の鮮度を見分けるポイントとしてよく知られているのが目ですが、目は濁りがなく黒目がはっきりとしているものを選びます。そして、体の表面はツヤがあるか、エラは鮮やかな赤色をしているか、皮の下の色が正常かなどを目視でチェックします。その後、魚を三枚おろしにして、内臓や胃内容物のニオイを嗅ぎ、筋肉を指で触って鮮度をチェックします。こうして検査にクリアしたものを使うのですが、更に動物たちの口に入る前にも傷が入った魚やちぎれてしまっている魚などは廃棄し、良いものだけを選別しています。品質を確かめる方法として機械を使うやり方もありますが、人間の五感に頼った官能検査が、機械で感知できない微細な違いを見つけることができるため適していると考えています。今後も、動物たちが健康に過ごすためにはエサの鮮度・品質は非常に重要なので、しっかりと目を光らせたいと思います。

海獣展示課

河村 景子

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