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これは・・・「アシカ?」「アザラシ?」
突然ですが皆さんに問題です!今からお見せする写真、どちらがアシカでどちらがアザラシか分かりますか?
答えは…①アシカ(カリフォルニアアシカ)、②アザラシ(ゴマフアザラシ)でした。正解できましたか?
さて本題ですが、今回問題に出した①の「アシカ」をショーステージで見たお客様から「アザラシだ!」という声をよく聞きます。確かに、問題に出していた写真のように正面から見てみると、よく似ていますね。アシカもアザラシも同じネコ目アシカ亜目に属する動物で、鰭脚類(ききゃくるい)とも呼ばれ、前足と後ろ足が鰭(ヒレ)の形をしているという共通の特徴があります。共通点が多いアシカとアザラシなので間違われることが多いのですが、やはり水族館としては皆さんに見分けられるようになっていただきたいので、今回はそれぞれの違いを3つ紹介していきたいと思います。
まず初級編、体のフォルム。
このように写真を並べてみると、体のフォルムの違いがよくわかっていただけると思います。アシカは体に対して大きな前脚が特徴です。この大きな前足で体を持ち上げて陸上を移動したり、岩などを登ったりすることができます。一方アザラシは前足が体に対して小さく、アシカのように体を支えることはできません。そのため、陸上では写真のように体のほとんどを地面につけている状態で、移動するときは、体全体を波打たせて這うようにして移動します。
続いて中級編、水中の泳ぎかた。
アシカは船を漕ぐオールのような大きな“前足”をはばたくように動かして泳ぎますが、アザラシは、“後ろ足”を左右に振りながら交互に水をかいて泳ぎます。アザラシの後ろ足の指の間には水かきがあり、水中で水をかくときには大きく広げているのがわかります。ちなみに、小さな前足は方向転換をする際などに使っています。
そして上級編、耳の違い。
そもそも、耳はどこにあるの?と思われる方も多いと思います。下の写真のように○で囲んでいる箇所が耳で、アシカもアザラシも耳の場所は同じです。でも、よく観察してみると少し違いがあるのが分かりますか?
アシカには、耳介(じかい、耳の外の突出部分)があるのに対して、アザラシは穴があるだけなのです。近くで観察してみないと分かりにくいかと思いますが、こんなところにも違いがあるんですよ。
簡単な紹介にはなりましたが、この3つさえ覚えていればきっとアシカとアザラシを見分けられるはずです!では、最後にスタッフ一押しの写真をどうぞ!
海響館の生き物を観察して、少しでも「へぇ~、そうだったんだ」と思ってもらえればと思います。
海獣展示課
薮亀 晴花