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アシカのしっぽの謎

 突然ですが、皆さんはアシカに7~10cmほどの小さなしっぽがあるって知っていますか?しかも、そのしっぽは上下左右に動かすことができるのです。アシカのしっぽの動きを観察していると、トレーナーもあまり気にして見ていなかった、しっぽの面白い発見があったのでご紹介します。

 多くの陸上動物はしっぽを持っていて、種類によって様々な役割を持っています。例えば、イタチやカンガルーは立ち上がる時、後ろ足としっぽの三点で体を支えますし、ウシやシマウマは蚊やハエなどを追い払うために使っています。また、ネコは細い場所や高い場所を歩く時にしっぽを高く上げてバランスを取る役目をしており、犬は感情表現をする時にしっぽを使うことが良く知られています。また、陸上から海へと生活の場を変えたクジラは、しっぽを泳ぐのに欠かせない尾ビレへと形を変えました。では、アシカはどうでしょうか?短く可愛らしいしっぽは生活をする上で欠かせないものなのでしょうか?アシカのしっぽの動きに注目して見てみましょう。

まずは、止まっている時。しっぽは、地面に向かって垂れ下がっています。それが、前進する時には・・・・しっぽをピンと上にあげています。

ちなみに、よくショーで見られる倒立をしている時は、しっぽが上下に動いていました。

 このように、よく見ているとしっぽが動いている場面がありましたが、カンガルーやネコ、クジラのように生活の中で重要な役割をしているようには思えませんでした。また、私たちが毎日付き合っていて、感情をしっぽで表現していると感じたこともありません。

諸説ありますが、アシカの祖先はイタチの仲間だと言われています。また倒立をした時にしっぽが上下に動くのは、ネコが体のバランスを取るのと似ているのかもしれません。動物たちにはまだまだわからないことがあるんです。私も今回、可愛らしいしっぽに着目しようと観察していたら、知らないことがたくさんありました。

 皆さんも小さな動きに着目して、動物たちを観察してみてください。新しい発見につながるかもしれません。

海獣展示課

田代 真菜

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