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第164回 「ラジオ視聴中?!」

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つい最近、新たな試みを始めました。それはアザラシにラジオを聞かせること!観覧エリアからは見えませんがアザラシの水槽の横にラジオを設置しました。なぜ?と思われた方もたくさんいるはず。初めはアザラシたちもなんだこれは!と目をまん丸にして警戒した様子でした。
今回ラジオを設置したことにはアザラシたちの暮らす環境にポイントがあります。アザラシの水槽はアクリルガラスで仕切られており、館内のわいわいと賑わった声はアザラシたちには届きません。また、バックヤードも閉鎖された空間で人通りも少ないのでアザラシたちはとても静かな場所で暮らしています。そのため、トレーニング中に少し物音がするだけでキョロキョロと気にして集中できなくなってしまうのです。その解決策としてラジオを設置してみたというわけです。とはいえ、いきなり大きな音を出すと怖がってしまうので、気付かない位の小さな音から流しはじめ、少しずつ音量を大きくしていきました。初めはラジオの音を警戒していたアザラシたちも1週間もすればいつも通り水中をスイスイ泳ぎ多少の物音に動じなくなりました。
このように、アザラシたちが快適に暮らせるように環境を整えてあげることはとても大事です。過保護になりすぎて様々な刺激から遠ざけてしまうと少しのことにも過敏に反応したり、少し状況が変わっただけでもひどくストレスを感じるようになってしまいます。それは動物たちにとっても良くないことです。例えば「いつも餌をくれる人と違う人が来ると警戒して餌を食べなくなってしまう」ということになってしまえば、動物が怪我をしたときに獣医さんにちゃんと診察してもらうことができません。そのようなことを避けるためにも普段からいろんな刺激に慣れさせてあげるように日々工夫したり、トレーニングに励んでいます。

海獣展示課
西浦 真央

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