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第155回 「なでしこ日記 続編」

カリフォルニアアシカのなでしこが海響館に来てからの成長の記録を綴った「なでしこ日記」が終了してから、なでしこの近況が気になっている方もいるはず!!そんな方のために、そしてなでしこをご存じない方のために「なでしこ日記 続編」と題して今回はなでしこに起こった変化を少しご紹介します。

 

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まずはプロフィールから。なでしこは2011年7月2日、高知県立のいち動物公園で誕生し、母親からうまくミルクがもらえず衰弱が心配されたことから、生後3日目に人工哺育で育てられることになりました。そして、まだ哺乳瓶でミルクを飲んでいた2011年12月、生後5ヶ月の時に海響館にやってきました。その後はすくすくと成長し、今年で4歳を迎えます。
アシカは本来群れで生活をする動物なのですが、人の手で育てられたなでしこは他のアシカと接する経験をしていません。これからのなでしこのためには社会性を身につけることが必要不可欠と考え、2014年1月からカリフォルニアアシカのデイニー(メス)と同じ部屋で暮らせるようにしました。といっても、他のアシカと暮らしたことがないなでしこを急にデイニーと合わせてもうまくいきません。そこで、少しずつ段階を経て同居できるようにしていきました。
まずは、柵越しにデイニーと対面させることから始め、トレーニング中にわざとすれ違うようにしたり、デイニーが暮らす部屋の中で一緒にトレーニングをしたりとお互いを認識させるようにしました。そして、警戒心が低くなった頃から同じ部屋で過ごすようにし、初めは5分間、次は10分間、1時間、数時間、半日と徐々に時間を長くしていきました。それでも喧嘩が起こったり、なでしこが餌を食べなくなったりすることがしばしばあったため、おもちゃを入れて気を紛らせたり、夜だけ一緒に過ごさせるなど、できるだけストレスが少なくなるように工夫をしました。最初の対面からおよそ2ヶ月、ようやく慣れてくれて同居できるようになり、1年が経った今では2頭寄り添って眠る微笑ましい姿も見ることができています。

 

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2年前は、あまり物怖じせずイルカたちがいるプールに飛び込んでトレーナーをひやひやさせることもありました。しかし、デイニーと暮らし始めて自分以外の存在を意識するようになり、この一年で顔つきも少し大人になったように思います。これから様々なことを経験してなでしこがどんな風に育っていくのか楽しみです。

海獣展示課
西浦 真央

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