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白いクラゲが赤いクラゲを食べたら・・・!?

 毎年夏になると瀬戸内海に現れるユウレイクラゲ。海響館では今年もユウレイクラゲを展示しましたが、皆さまご覧いただけましたか? ユウレイクラゲの特徴はなんといってもその大きさと、真っ白な体の色!こんなにきれいな白色ですが、色がついたものを食べたらどうなるんだろう…?というわけで、ユウレイクラゲが食べた物で色が変わるのか、実験してみました! まず、通常海でみかけるユウレイクラゲがこちらです。

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きれいな乳白色をしています。通常ユウレイクラゲはミズクラゲを食べていますが、今回は、海響館で生まれた成長過程のユウレイクラゲに「アカクラゲ」「サカサクラゲ」「ミズクラゲ」の3種を与え、体色に変化がでるのか観察してみました。

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実験開始翌日、さっそく個体に変化が!

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翌日、アカクラゲ・サカサクラゲを摂餌した個体は、体色がエサの色に近い色に変化しはじめました。食べた直後は口元部分だけが変化していましたが、翌日には全身に廻り、傘にも色が付いていました。

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実験開始6日目、アカクラゲ・サカサクラゲを食べた個体は、さらに体の色の変化がでてきました。 また、アカクラゲを食べた個体より、サカサクラゲを食べた個体の方が少し色が薄くなりました。これは、エサのアカクラゲよりサカサクラゲの方が色が薄いため、エサの色がそのままクラゲに表れたのではないかと思います。

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実験開始13日目、アカクラゲ・サカサクラゲを食べた個体はさらに色が濃く変化しました。また、この時点で、食べたエサの違いで、成長速度に変化はみられませんでした。
ここで、体色が元に戻るのか実験するために、エサを再びミズクラゲに戻しました。

エサをミズクラゲに戻した結果、サカサクラゲを食べていた個体は翌日には元の乳白色に変化し、アカクラゲを食べた個体は13日後にようやく乳白色にもどりました。

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 この実験で、ユウレイクラゲの体色の変化には、エサの色素が大きく関係していることがわかりました。自然界でみられるユウレイクラゲは乳白色ですが、もし体色の変化した個体がみられれば、ごく最近にミズクラゲ以外を食べていて、その個体の色に近い色素を持ったクラゲが近くに分布していた可能性があります。
海響館では通常、ユウレイクラゲにはミズクラゲをエサとして与えていますが、なにしろ最大傘径50cmにもなるクラゲなので、食べる量も膨大です。私たちはいつも、ユウレイクラゲが成長するにつれてエサの確保にてんやわんや((+_+))
この実験をもとに、ユウレイクラゲのエサについても研究し、皆さんに大きなユウレイクラゲが沢山のエサを食べているところをお見せできるよう頑張ります!

魚類展示課 吉田はるか

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