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新水槽「アマモの海」誕生の裏舞台

海響館では、オープン15周年事業として、3月5日から新たな水槽「アマモの海」が誕生しましたが、皆さんもうご覧いただけたでしょうか?今回のお魚探検隊は、この新水槽「アマモの海」誕生までの舞台裏をご紹介します。

新しい水槽をつくるにあたって、まずは水槽内に植えるアマモが必要です。アマモは下関各地の沿岸に生えていて、海響館からすぐ近くの海でも採集できます。そこで、展示するアマモは海で採集することにしました。と、言うのは簡単ですが2月から3月の海は1年間で最も水温が低い時期で、およそ10℃しかありません。そんな中でも海に入り、時には寒さに震えながら水中に潜って準備を重ねました。

 さらに、採取してきたアマモには、枯れてしまった葉や、葉上にコケなどが付いて汚れてしまった葉もあるため、そういった葉は、海響館に持ち帰った後に事前に摘み取り、すぐに植えられるように準備しておきました。

そして迎えた水槽設置の日。2階の設置場所にはまず水槽を置くための台が設置され、続いて真新しいピカピカの水槽が設置されました。

 この真新しい水槽に、砂を厚さ15センチほど(約250L、重さにして400kg程でしょうか)の砂を敷きつめ、さらにここにアマモを植えていきます。

 スタッフ総出で植えていきたいところですが、幅180cmほどの水槽のため、中に入れるのは2人が限界。2人がかりで1本1本ていねいに植えていき、なんとか水槽一面に植え付けることができました。

さらに水を循環してきれいにする濾過装置や水温を一定に保つクーラー、それらをつなぐ配管などをセットし、外側の壁や解説パネルを設置し一通りの工事は完了!最後にアマモ場で生活する生き物たちを入れ、ついに新水槽「アマモの海」が完成しました!

 色々な苦労を重ねて作ったこの水槽、お客さんの反応はどうかな?と、開館後に水槽の前に行ってみると、水槽をじっくり覗いて、「あっ、いたいた!」と生き物をさがしているお客さんや、カメラで写真を撮っているお客さんの姿があり、ほっと一安心。

この水槽には、種名板に出ている生き物のほかにも小さな生き物がたくさん隠れているので、皆さんも是非探してみてくださいね!

魚類展示課 仁井崇晶

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