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「こんなのいたよ!~やまぐちの川たんけん日記~」裏話

海響館では3月12日~5月8日まで春季特別企画展「こんなのいたよ!~やまぐちの川たんけん日記~」を開催しています。皆さんは自分たちが住んでいる近くの川にどんな生き物がすんでいるか知っていますか?海響館がある山口県の川、それらの川に繋がる水路や水田にすむ生き物を知っていただきたいと思い、特別企画展を開催することになりました。開催に向けてスタッフが展示する生き物の調査をしました。調査を通して、改めて下関市、そして、山口県の自然の豊かさを感じました。今回のお魚探検隊ではその調査の一部を紹介します。

「ゴギ」という魚を知っていますか?渓流にすむイワナの仲間で、頭部の口先まで白い斑があるのがヤマメやアマゴと違う特徴です。また、腹側の橙色がとてもきれいな魚なんですよ。

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 ゴギがすむ場所は中国地方の川の最上流で、限られたところにしかすんでいません。その周りは木で生い茂っていて、川の幅も細くなっています。

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 とても敏感な魚で、人影に気づくとすぐに岩の下などに隠れてしまうので、観察するのが難しい魚です。ゴギは水温20℃を超えるところには見られないので、これも限られたところでしか見られない理由のひとつです。

下関市を流れる木屋川上流で見られるイシドジョウもまた、西日本の上流の限られたところにしかすんでいません。夏場は一度に数十匹ものイシドジョウを見ることが出来ましたが、秋になると姿を隠して、なかなか見つけることができません。また、不思議なことに、一本支流が変わると、まったくイシドジョウは見られなくなってしまうのです。このようにイシドジョウはごく一部分の川に集中してすんでいることが多いのです。

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 川の生き物たちが他の川へと移動できるところは限られています。ごく限られた狭い範囲に暮らす種類が、長い年月の間に環境が変化することで別の種類に適応進化していくことが知られています。一方で、オオサンショウウオのようにおよそ3000万年という長い年月を経てもその姿をほとんど変えることなく、命をつないでいる生き物もいます。このような様々な生き物たちがすんでいる豊かな川の自然をいつまでも残していきたいですね。

今回の特別企画展では山口県錦川上流にもすんでいる国の天然記念物のオオサンショウウオも展示しています(協力:広島市安佐動物園)。

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是非、会いに来てくださいね!

魚類展示課 井上美紀

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