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水族館の名脇役、ニョロニョロ系!?
皆さんこんにちは!おさかな探検隊員の柿野です。水族館で人気の生き物と言えば、イルカやペンギン、魚では怖くてカッコいいサメの仲間や模様も可愛いクマノミなどがいますよね。でも今回紹介するのは、そんなスーパースター達の陰に隠れながらも、独特な魅力を持ったニョロニョロ系の生物です。ニョロニョロとした生き物といえば何を思い浮かべますか?「ウナギやアナゴ!!」と思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。私たちが普段よく食べるアナゴの仲間「マアナゴ」や最近人気の「チンアナゴ」、怖い顔が特徴の「ウツボ」、実は大きく分けるとみんなウナギ目と呼ばれるウナギの仲間なんです。今回は知ってるようで知らないウナギ目の仲間の魅力に迫っていきましょう!
まずは皆さん食べたことはあるんじゃないでしょうか、ニホンウナギとマアナゴです。うな重やひつまぶし、かば焼き…あれれ?そういえばウナギやアナゴのお刺身や生のお寿司ってあまり見かけないな~と気づいた方はいませんか?実はウナギ目の仲間の血と粘液にはイクシオトキシンという毒が含まれているのです。熱を加えると毒素が分解されるので、火を通せば問題ありません。血や粘液をしっかり落とせば、刺身でも食べられるのですが、体がやや泥臭かったり、生だと小骨が固く、気になることから、かば焼きなどの調理法が一番おいしいと言われています。
次に紹介するのは鋭い歯と怖い顔が特徴のウツボの仲間!ウナギ目の仲間はすべて腹ビレが退化しているのですが、ウツボの仲間はさらに胸ビレまでも退化しています。ウツボは「海のギャング」と言われたりもしますが、実は多くは臆病で人を襲うようなことはほとんどありません。中には20センチほどのとても小さな仲間もいますし、ハナヒゲウツボのようにオスからメスに性別が変わって、色などがガラッと変わってしまう種類もいます。
そして最後は私の大好きなウミヘビの仲間を紹介しましょう。「え、ウミヘビってヘビじゃないの?」と思われた方もいるんじゃないでしょうか。実はヘビの仲間にウミヘビ科というグループがあるのですが、ウナギ目にもウミヘビ科というグループがあるのです。つまり、爬虫類のウミヘビと、魚類のウミヘビがいるのです。毒があって恐ろしいイメージがあるのは爬虫類のウミヘビで、魚類のウミヘビは基本的に無毒なのですが、中には身を守るため、爬虫類のウミヘビのように派手な見た目をした種類もいます。見分ける方法は、爬虫類のウミヘビは鱗があって、ヒレはないですが、魚類のウミヘビは鱗がなく、ヒレがあることで見分けることができます。
今回はウナギ目の仲間を少し紹介しましたが、ウナギ目で多く見られる透明で葉っぱの様な形をしたレプトケファルスという生まれたての幼生も成魚との違いが面白いですし、まだまだ分かっていない秘密も沢山あります。是非皆さんも、水族館に足を運んだ際には、水槽の隅っこでニョロニョロと動く彼らを、じっくりと観察してみて、気になったことを調べてみましょう!
魚類展示課 柿野敦志