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“ウィンク”するフグの謎を解明 フグの仲間の閉眼行動のしくみに関する論文が掲載されました
私達陸にすむ生き物は、乾燥や怪我から目を守るため、まぶたで目を閉じることができます。一方、魚類で目を閉じられるのは一部のサメ・エイの仲間と、フグの仲間だけです。今回私たちはコモンフグが目を閉じる行動を観察し、世界で初めて詳細なデータを得ることに成功しました。
まず、目を閉じるとき、目の周りの皮膚は目の中心に向かって収束し、この動きは、他の脊椎動物のまぶたの動きとは全く異なるものでした。
次に、目を閉じる運動は目の周辺の皮下にあるシート状の筋肉の収縮によって引き起こされることが、コモンフグの標本への電気刺激実験から明らかになりました。その機構の特殊性などから、今回の研究で観察された目を閉じる行動はフグの仲間が進化する過程で陸上の生き物とは別に獲得されたものであると考えられます。
“ウィンク”しているフグ、海響館の水槽でも探してみてください!
掲載誌
Zoology (https://doi.org/10.1016/j.zool.2021.125894)
論文名
Iris-like eye closure of the fine-patterned pufferfish, Takifugu flavipterus
著者
荻本啓介1・園山貴之1・進藤英朗1・冨田武照2(1下関市立しものせき水族館、2一般財団法人 沖縄美ら島財団総合研究センター)