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Vol.222 オーラ! アミーゴ

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 連日猛暑が続く8月初め、世界スカウトジャンボリーの期間中とあって、海外からの多くの若者の来館があった。今回のジャンボリーのために編成された県民語学ボランティアの引率付である。この暑さの中、テントに宿泊している隊員にとって館内は一息つける場所だったのではないだろうか。
今回は162か国と地域から3万余の参加があったそうだ。国の数は勿論、参加者の多さには驚いた。宇宙飛行士が初めて地球を見たとき「地球には地図の様な国境線がなかった」とその感動を語られることがよくある。

現実の地球はジグソーパズルのように国境で線引きされ、言語も何種類もあるが、ジャンボリーのテント村には国境は無いだろう。魚や鳥など人間以外の生き物は、もともとパスポート不要の国境がない地球に生息している。とはいえ、国境はないが、中には縄張りがはっきりしている種もいる。その縄張りを犯すと争いになる。まさに弱肉強食の世界でもある。国境の有無にかかわらず、地球上の生き物間の争いは生命誕生以来絶えることはないようだ。
昔の水族館には国境があった。国境と言っても水槽の壁で、いわゆる汽車窓式水槽に魚の種類ごとに展示されることが主流だった。近年はなるべく自然に近い形で、生物にストレスが少ない環境で何十何百種の魚を混泳させる展示、ボーダーレス的展示が多くみられるようになった。いわゆる生態展示とか環境エンリッチメントなどのフレーズを目にすることが多い。

最初に出会ったソンブレロが目立つ陽気な感じのグループ、サボテンとテキーラの国メキシコからかと思ったら、南米のコロンビアからの参加だった。確か、同国には大きなマラカイボ湖があったはずと思い出し尋ねてみると、それは隣国ベネゼェラだった。南米地理の勉強不足が露呈してしまった。
200年ほど前には両国は同じ共和国に属していたことがあるので許してもらおう。このグループはよほどペンギンが気に入ったのか、ジャイアントジェンツーペンギンと写真に納まるだけでなく、ペンギンのぬいぐるみにも入り、はいチーズ。(スペイン語ではチーズと言はないと思うが?)

今度はガイアナからという女性二人ずれ、遠いアフリカ大陸からご苦労様と思っていたら、実は南米大陸北部。遠いのには変わりないが、方向がまるで逆だった。ギニアやガーナという国がアフリカ大陸にあるが、これらの国と混同してしまった。またまた、勉強不足が露呈。ポルトガル語や、スペイン語の国が多い南米大陸で、唯一の英語が公用語の国らしい。ガイアナも赤道に近い国、日本の夏はどうだっただろうか。

コロンビアからのアミーゴは、いつもの時間に追われる団体ツアーよりも、ゆったりと時間をか けて楽しみながら観覧しているように見受けられた。お国柄だろうか。そんなに急がなくても「アスタマニアーナ」だと言われそうだ。

解説ボランティア:唐櫃 山人

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