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vol.248 語呂合わせ

 異常な暑さの今年の夏だったが、秋の七草の一つであるフジバカマが例年になくよく育ち、11月になってもまだまだ元気だ。この花を好み旅することで知られるアサギマダラが、10月上旬から下旬にかけてたびたび訪れ目を楽しませてくれた。

 いつも庭で見つけ、あわててカメラを取りに入っている間にいなくなってしまうことがしばしばだったが、今年は幸運なことに1時間近くも滞在してくれることがあった。きっとこれからの長旅に備えているのだろう。

 

 ところで、秋の七草といえばこの花以外に6種あるのに全て思い出せたことがない。だいたい自分の脳は5種類以上のものを記憶するのが苦手なようにできているらしい。

 年代を記憶するのに、「応仁の乱」を「人よ、むな(1467)しい応仁の乱」など良く知られている語呂合わせにならって秋の七草にも同じ様なものがないかチエックしてみたら、秋の七草は「お好きな服は」になるというのがあった。なるほど、オミナエシ、ススキ、キキョウ・・これなら思い出せそうだ。

 

 いつもカブトガニやシーラカンスのような古生代に活躍した生物の解説時に思い出せなくて迷う地質年代も語呂合わせで助かっている。カンブリア紀から始まって魚類が爆発的に発生したデポン紀とシルル紀はどちらが先だったかと迷っても「顔から汁出て医師2,3人自白」と呪文のようなことを唱えればシルル紀が先だとすぐに思い出せて便利だ。

 英語にも「ラクダは通常注意深く座る・・・」というのがあったが、この種の語呂合わせは世界共通らしい。

 

 身近なところで、試してみると海響館で飼育されている5種類のペンギンは、「藤井マキ」さん、フォークランド諸島に生息する5種類は「気まま爺」さんとなる。ニュージ―ランドには7種類ものペンギンが主に南島とその周辺の島々に生息している。

 来館者に「ニュージーランドはペンギン王国で7種もいます。それは・・」と言って具体的な名前が全部出てこないことが何度かあった。キガシラ、コガタ、ハネジロ、フィヨルドランドぐらいまではいつもスラスラと口も滑らかなのだが、残りの3種が怪しくなる。

 

 そこで、語呂合わせで「対策」を考えてみた。

 「黄子は、羽を広げてフィヨルドランドの岩山をシュと飛び越えスネ打った」少し長いのでこれ自体を忘れてしまいそうで改善の余地がありそうだが、落語の寿限無より短いと納得。残りの怪しい部分は、イワトビ、シュレーター、スネアーズの3種。

 

 先日、定例会でクマノミの講習を受けた。日本の周辺には、カクレクマノミ、ハマクマノミ、セジロクマノミ、ハナビラクマノミ、トウアカクマノミそして、クマノミの6種が生息しているのだそうだ。5種類以上でわが脳は怪しくなるので、当面「為替は得」と記憶しておくことにした。ただ、「為替で損」をした人から異論がでてくるかも知れないが・・・

解説ボランティア:唐櫃 山人

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