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まさかの大発見!?ツバサモンガラ属の一種との出会い
見た瞬間は???だったのですが、調べてみて大興奮!まさか偶然にもこんな瞬間を味わえるなんて。
令 和8年1月16日の夜、一本の電話が。山口県長門市黄波戸の漁師、俵道氏からで「欲しいと言ってたハリセンボンがたくさんおるから掬ってるぞ!」と興奮した様子。どうやら漁をしている最中に船の灯りに集まってきたようで、「今までおらんかったが、時化が落ち着いて今年初めての漁で見つけるとは運が良い」とのこと。

「ありがとうございます!」と二つ返事で受け取りに行くことに。リニューアルオープンに合わせて昨年から収集を試みていましたが、中々集まらなかったので願ったりかなったりでした。
翌日の朝、準備をして向かう前に再度連絡したところ、「初めて見るメイボ(カワハギの地方名)も1匹おるよ。」とのこと。この時期だからアミモンガラやウスバハギかな?でもウスバハギなら食用になるから知っているだろうし・・・と考えながら向かいました。


到着後、船の生け簀へ案内していただき覗いてみると、かわいいハリセンボンが20匹。ありがたやーと掬わせてもらっていると、何やらカワハギの仲間が近くを泳いでいます。「?」白い斑点模様が見えたので「やっぱりアミモンガラかな?」と考えていると、「そうそう、そいつが初めて見たメイボ。」と俵道氏。確かにこのあたりだとアミモンガラもそんなにいないかな、ともう一度しっかり見ると、体の両側がボコッと出ている・・・なんじゃこりゃ?疑問に思いつつもとりあえず写真に撮ってハリセンボンと共に車内の水槽へ積み込みました。



俵道氏へお礼を言い車に乗り込んだのですが、やっぱり気になったので出発前にスマートフォンで調べてみることに。「アミモンガラ」と検索し、ヒレの長さが違うな・・・と思いつつよく似たレア種「ボウズモンガラ」と打ち込む・・・これも違う。たくさんある写真を下にスクロールしていくと・・・「これだっ!!」私が撮った写真とそっくりな写真を発見!そこには「ツバサモンガラの仲間」と書かれており、和名がまだつけられていないようで、「貴重な標本を展示します。」という記事でした。「標本?」ということは、今回の個体は元気に生きているため、これはすごいことになるんじゃないかと興奮し、「これは熱いっ!」と車内で叫んでしまいました。しかも種名が「ツバサ」だなんて。体のでっぱりから名づけられたと思われますが、海響館がこれから翼で羽ばたいていけると暗示してくれているようでうれしくなりました。

海響館に持ち帰り、薬浴後、丁寧に予備水槽へ搬入。よくよく調べてみるとこれまでに発見されたのは数例で生体を展示できるとなると世界初かもしれないことがわかり、さらに大興奮!ただ、本種はアオスジモンガラの幼魚である可能性があり、今後ツバサモンガラの仲間はアオスジモンガラの属するナメモンガラの仲間に入るかもしれないことがわかりました。これから成長に伴ってあのでっぱりが無くなっていくのか、模様が変化していくのかを観察していきます。
飼育しながら経過を追えるという水族館の強みを生かして。


その後無事にエサを食べるようになり、令和8年1月27日、展示水槽へ移動しお披露目となりました。皆さん、是非今後の成長の様子を見守っていてくださいね。
魚類展示課 石橋 將行


