loading...
「熱帯雨林の川」水槽の照明交換 ~休館中の裏話~
2025年8月1日に改修工事後のリニューアルオープンを迎え、すでにご来館いただいた方も多いのではないでしょうか?

今回の休館は海響館が2001年にオープンして以来のながーーいお休みでした。展示スタッフもお休みしていたと思われるかもしれませんが、そうではありません!新しい水槽や展示の準備、飼育している生き物たちの管理、汚れる水槽の掃除など、やることはたくさんありました!
開館している時よりも忙しいのでは!?と思った日もあるくらいです。
休館中に行ったことの1つに「館内照明のLED化」があります。
下関市では、「ゼロカーボンシティしものせき」宣言と題し2050年までに温室効果ガスの排出量ゼロを目指しています。その活動の中には、公共施設LED設備導入の促進があり、「海響館」の照明設備をLEDに更新することもその取り組みの1つなのです。
そして、私の担当水槽、「熱帯雨林の川」水槽も対象です。
「熱帯雨林の川」水槽の照明は、アクリル面の真上に付いており観覧側の皆様からは見えない位置にあります。

さあ、水の上にある照明をどのように交換しましょう。
一番簡単なのは、水中の魚たちを他の水槽に移動し、水槽を空にして交換する方法。できたら良いのですが、海響館の裏側に巨大なピラルク7匹とナマズの仲間3匹を入れることができる大きな予備水槽は残念ながらありません。また、ピラルクたちが移動時に暴れると人間・魚ともにケガをする恐れがあるため、移動せずこのまま作業をする方法を探ることに。工事業者の方と話し合った結果、業者さんにはゴムボートや脚立を使って照明交換をしてもらう方法に決まりました。今までゴムボート等を浮かべたことがなく、安全に作業を行うために、水中にネットを張って仕切り、ピラルクをアクリル面から遠ざけて作業を行うことになりました。
ここで気をつけなければならないのは「ピラルクを驚かせないようにする」ということです。普段はゆっくり泳ぎ穏やかそうに見えますが、一瞬で暗くなる、大きな振動や音がするなどの刺激があると、泳ぐスピードが速くなったり飛び跳ねたりする可能性があり、大変危険なのです。また、ピラルクの体に網が引っかかって身動きがとれなくなる、という最悪の事態も避けなければいけません。
魚類展示課のスタッフと相談しながら、まずは陸上でネットを試作。いざ、水槽内に持ち込んで調整をします。
最初の試行(模式図1)では、水槽の右側を黒いネットにしていたため、見えにくかったのかピラルクが少し暴れ、ネットを強行突破!すり抜けてしまいました。重石として置いていた石の位置が悪かったようです。
模式図1

試行2回目(模式図2)では見えにくかった右側を青いネットに変更し、認識しやすいようにグレーの塩ビ管も付けてみました。
すると、うまくネットを避けて泳ぐではありませんか!
しかし、安心したのもつかの間、ネットと岩をつないでいた紐の隙間からすり抜けて、ネットとアクリルの間にピラルクが出てきてしまったのです。

模式図2

仕切る場所や、ネットの色、ネットと岩の間に隙間がないようにするなど試行錯誤しました。3回ほど調整した末、最終的なネットの配置(模式図3)で照明交換作業にかかると予想される期間「1日」を無事に過ごせることを確認しました。
模式図3

実際に設置することになったネットの様子

迎えた工事当日。
朝イチで水槽にネットをはり、業者さんを待ちます。

準備が出来たら、業者さんに照明交換作業をバトンタッチ。
作業中も大きなトラブルがないかと安心出来ず、私の方がそわそわしてしまいましたが、ピラルクたちは穏やかでした。

交換中の様子

業者さんのスムーズな作業のおかげで、無事に照明交換は終了!
ホッと一安心です。
交換後のLED


水槽内が明るくなり、以前の水銀灯よりもピラルクの尾ビレ近くの赤い色が鮮やかに見えるようになりました。
是非2階「熱帯雨林の川」水槽のピラルクたちをご覧ください。

魚類展示課 加藤


