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慶良間の海 ~サンゴ礁水槽改修の裏側~

8月1日のオープンから数カ月経過しましたが、海響館には来ていただけましたか?今回の改修工事ではいくつか変わったところがありますが、2階のサンゴ礁の水槽もその一つで、以前と比べると少し雰囲気が変わりました!皆さん気付きましたか?

今回の改修で参考にしたのは「慶良間の海」。私は「慶良間」と聞くと「ケラマブルー」は思い浮かびましたが、海が青いこと以外何も分からず。現地の海を見ないことには参考にもできない…ということで一路慶良間へ!

向かったのは、慶良間諸島の西部にある阿嘉島。沖縄本島からフェリーで90分ほど。乗船中も時折船と一緒に遊泳するトビウオの仲間を見たり、小さな島を見たり終始ワクワクが止まりませんでした。到着日はあいにくの天気でしたが、海は美しいケラマブルーでした。

スキューバダイビングで海に潜るとすぐに目にとびこんできたのはサンゴ礁。色とりどりのサンゴが無数に広がっており、これほど多くのサンゴを目の当たりにするのは初めてだったので、青い海も相まって非常に感動しました!さらに、サンゴの隙間には様々な魚たちが出たり入ったりしており、サンゴをよく利用していることがわかりました。

そんな景色を眺めながらサンゴ礁の上を泳いでいると、遠くに大きな黒い塊のような、影のようなものが見えました。近づいてみると、それが無数の小さな魚影であることがわかり、さらに近づくとサッと私から逃げていきます。よく見るとその魚影の主はキンメモドキ。

それはまさに大群といった感じでその数はおそらく1万匹以上いたのではないでしょうか。群れ全体が移動すると、景色自体が動いたように見えます。私は自然界でこんなにも多くのキンメモドキを見たのは初めてで、群れの美しさに圧倒されました。

次に砂地の海底に移動してみると、そこには人気者チンアナゴが。

水族館でも人気な生き物の1つですが、ダイバーにも大人気。私もチンアナゴを見たいと思っていましたが、なんと想像以上の数のチンアナゴが!慶良間の海でこんなに多くのチンアナゴが見られるとは思ってもいませんでした。近づくと砂に潜ってしまうので遠くからしばらく眺めていると、水族館の水槽と同じようにみんな同じ方向を向いていました。

その他にも海響館で展示中のフグの仲間も多く見ることができ、慶良間の海を大満喫できました。この感動をすぐに水槽作りに活かさなければ!そう思って帰館後、集めた情報を元にすぐに他の展示スタッフと話し合い、その後の作業を分担して進めていきました。

まずは、慶良間の海の青色を再現するために、壁の色を水色から青色に変更することにしました。さらには幻想的な雰囲気を出すために照明の種類や当て方を工夫することに。
色とりどりのサンゴは、本物のサンゴを大きめの水槽で多数維持することは難しいため、形や色を現地のものを参考にしたレプリカをこれまでより多く展示することにしました。そうすることで展示する魚たちが本物のサンゴと同じように隠れ家や産卵場所として利用してくれることが期待できます。

チンアナゴは以前から展示していましたが、自然界と比較すると少し物足りなかったかもしれないので、展示する数を増やそうということになりました。

そして何といってもキンメモドキの大群の再現です。まずは新たな収集先を探さなければなりません。今までも収集、展示した経験はあるのですが、傷つきやすい魚のため、すぐに数が少なくなっていました。様々な水族館に連絡をとらせていただくと、冬から春にかけて長崎県から入手し、展示しているという情報が。水族館の方と漁師さんと連絡を取り合いながら現地の定置網漁に同行させていただき、何とか約400匹を集めることができました。

そして、完成した水槽がこちら!

どうでしょうか。ケラマブルーを再現できているでしょうか。どうにかオープンに間に合わせることができましたが、慶良間の海と比べるとまだまだチンアナゴやキンメモドキの数が少ないため、これから増やしていきたいと考えています。目指すは、キンメモドキ1万匹!とまでは流石にいきませんが、皆さんにより美しい群れをお見せできるようにしていきますのでお楽しみに!

魚類展示課  宮澤萌

飯島 卓也

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