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まだまだ寒い!でも楽しい!冬の海のワクワク!
ようやく春らしくなってきたかと思えば、まだ寒い日もありますね。
下関近辺の海の水温は13~15℃まで上がってきました。到底あたたかいとは言えませんが、だからこそ!見ることができる生き物がいます。今回は山口県の北側(青海島付近)でみられた生き物をご紹介いたします。
●ウミウシの仲間
ウミウシ」は一見するとナメクジのようにも見えるのですが、巻き貝の仲間で進化の過程で殻を失った生き物です。カラフルでその種類・形も様々。実は、冬から初夏にかけてのこの時期がウミウシの仲間が最も多くみられます。この冬私が見たウミウシをご紹介しましょう。
〇クロコソデウミウシ


名前の通り黒い体が特徴的です。ウミウシの仲間としては比較的大きくなり(2~3cm程度)、探しやすい種類です。
〇ミツイラメリウミウシ

2匹のウミウシが寄り添っています。何をしているのか、というと交接(こうせつ)、いわゆる交尾です。ウミウシは、両性生殖腺という精子と卵の両方を作る器官を持っており、常にオスでもありメスでもあるため、交尾相手に出会えば必ず交尾が可能なんです。
〇コトヒメウミウシ


写真では大きく見えていますが、この時見つけたウミウシの実際の大きさは3mm程度。小指の先程の極小サイズでした。
そして、このとき運よくウミウシの眼も撮影できました。この黒い点が目なんですよ。
いくつかウミウシの仲間をご紹介しましたが、海響館ではなかなか展示することができていません。
その理由としては寿命が短いこともありますが、何といっても特定のエサしか食べない種が多くそのエサが知られていない、入手しづらい、エサの維持が難しいことです。そのため、潜ってウミウシを見つけたときには、いる場所にも注目しています。岩の上か、カイメンの上か、海藻近くにいたらそれはどんな種類なのか。いる場所を見てエサになっているものを調べたり予測したりします。そうすることで長期的に飼育でき、展示につなげることができます。自然の生き物の様子を観察することは、とても大事なことなのです。今後、海響館でもウミウシをご覧いただけるように観察を続けます!
●クサウオ
冬の冷たい海、深いところから上がってくる魚がいます。「クサウオ」です。当館でも昨年、今年と展示しておりご覧になった方も多いのではないでしょうか?大きなおたまじゃくしのような形につぶらな眼を持ち、とても人気の生き物です。

名前の由来はつまらないという意味の『くさい』という言葉だそうですが、クサウオの生態は一切そんなことはありません。メスが産んだ卵をオスが孵化するまで守るんです。なんと健気ではないですか!また、その光景は産卵のために浅い所まであがってくる、この時期にしか見ることができません。
昨年(2025年)、自然界で運よくクサウオの卵、そして卵が孵化する瞬間に立ち会えました。卵の中で銀色に光っているのは赤ちゃんの目。矢印の先には、今まさにとびだしたばかりの赤ちゃんが写っています。


実は、当館の水槽だからこそ!見ることができるクサウオの体の特徴があります。それは「吸盤状の腹ビレ」です。
クサウオは自然界では岩や砂地にぺたっとくっついているため、お腹側を見ることはほぼ不可能です。しかし、水族館ならガラス面にくっつく「お腹の吸盤」をじっくり観察することができます。2026年4月現在 2階とれとれタンクで展示中です。
是非お近くでご覧ください。


海の中は一期一会。
「今日出会えた生き物に明日も会えるとは限らない」そんなワクワクがつまった宝箱です。
これからも、そんな海の感動を皆様にお届けできるように展示に励んでいきます!
魚類展示課 加藤舞


