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ヒトデは動物?植物?石?

 

 海響館スタッフが、小学校に出向いて生き物の話をする出前講座という学習プログラムがあります。その時に、タイトル

の問いを低学年の小学生に対してするようにしています。

 

 「ヒトデは動物?植物?石? どれかわかるかな?」

 

 皆さんは答えがわかりますか。

 

 おそらく、生き物に興味をもってこの文章を読んでいるあなたであれば、ヒトデは「動物」だということは知っていると思います。しかし、きちんとデータを取っているわけではないですが、上記の問いには「石」に手が挙がることが多いのです。もちろん学校によっても違いますし、「動物」や「植物」に手が挙がることもありますが少数です。なぜ石だと思うのかと聞くと、「動かないから!」とのこと。

 出前講座では、実際に生きているイトマキヒトデを目の前に置き、そのヒトデに触れながらクイズ形式で解説をしています。そこで、「本当に?よ~く見てみて!目の前のヒトデは動いていない?」と聞くと、ゆっくり動く管足などを見つけ、その後、ヒトデの足は?口は?目は?などとクイズを通して語りかけていくと、ヒトデは動物だと理解してくれます。

 

 同じようなことが海響館の展示水槽でもありました。海響館の2階には、下関周辺海域でとれた生き物を展示する「とれとれタンク」というコーナーがあります。2019年3月現在は、ガンギエイ、カイワリ、イトヨリダイなどの魚類の他に、サンゴの仲間のヤギ類やキサンゴ類、クモヒトデの仲間のアカテヅルモヅル、ウミシダの仲間等を展示しているのですが、バックヤードからエサやりをしていると、「何もいなーい!次にいこー!!」という声が聞こえてきました。。。。

 おそらく、魚類以外の水槽を見てのことでしょう。確かに、ヤギ類やキサンゴ類は大人の見た目にもほぼ動いていません。エサをとるための触手をきれいに広げているのですが、その触手が水流によって動く程度です。

 

 

 私たち飼育スタッフは、生き物の知識があれば良いわけではなく、その生き物のことを来館者に知ってもらわなくてはいけません。すべての人がサンゴの仲間に興味を持っているわけではないので、とれとれタンクでは、より解説を見てもらえるように、文章だけではなく写真等も用いたデジタルフォトフレームを設置しています。画面が切り替わる動きがあるためか、大人の方には足を止めて見てもらえているようですが、まだ小学生以下には難しいようです。どのようにすれば、よりわかりやすく生き物のことを伝えられるか。私たちの日々の悩み事であり、それが私たちの仕事です。

 

 館内には、デジタルフォトフレームを用いた画像のスライドショー、スタッフが撮影した動画での解説、標本展示、ハンズオン展示など様々な展示物があります。それらは、来館者に生き物のことをより伝えられるようにと展示しています。皆さんに生き物のことを少しでも理解してもらい、生き物のすばらしさを知ってもらえるよう、今日も頑張ります!!!

 

 さて、どうしたらサンゴの魅力が伝わるのでしょう。。。。

 

魚類展示課 園山貴之

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