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ズームアップ!フグの行動!

 海響館では、現在100種類以上のフグの仲間を展示しています。フグの仲間はフグ目(もく)と呼ばれる魚のグループで, カワハギやマンボウなどもこれに含まれます。フグの仲間はその形も色々ですが, いくつかの特徴的な行動もみられます。その例を4例、ご紹介しましょう。

 

1. ふくらむ!(図1)

 フグの仲間と言えばこれ!・・・ともいえる行動ですが、中でも膨らむのはわずかにフグ科とハリセンボン科の2科だけ。この仲間は胃の中に水(釣り上げられた時などは空気も)を吸い込み、お腹を膨らませることができます。膨らむのは、主につかまりそうになったときなどで、自分の体を大きく見せて敵を威嚇するためであると考えられています。ちなみに、膨らむ瞬間はほとんど見ることが出来ないので、見ることが出来たら、ラッキーです!

2. 砂に潜る(図2)

 フグ科の種の一部は、砂に潜ることがあります。潜るときは、眼、エラ、鼻、口は必ず砂の外に出しています。砂に潜る理由は、分かっていませんが、体についた寄生虫を落とすため、捕食者から身を隠すため、エサを待ち伏せるためなど、様々な理由が考えられます。たまに、「砂に潜って寝ているのですか?」と質問をされることもありますが、飼育している感覚では、あげたエサにすぐ反応するので、寝ているわけではないと考えています。海響館では、3階のトラフグの水槽で、砂に潜る様子が観察できます。

3. 硬いエサをかみ砕く(図3)

 フグの仲間の多くは、くちばしのような歯と、強力なアゴをもっています。これは、硬い生き物をかみ砕いて食べるためだと考えられています。例えばハリセンボンの場合、エサは巻貝、二枚貝、ウニ類、ヤドカリ類などであることが知られています。ハリセンボンの仲間のネズミフグに口より大きなガザミ(カニの仲間)を与えてみたところ、バリバリとかみつぶして食べてしまいました。現在海響館では、フグの仲間の噛む力が、いったいどれくらいあるのか調査中!結果をまたおさかな探検隊で、皆さんに報告します!

4. 特別なヒレで泳ぐ!(図4)

 フグの仲間の泳ぐ姿は他の魚と異なります。多くの魚は、エイやウナギなど特殊な形をしたものを除くと、体の一番後ろにある尾ビレを使って前に進みます。一方フグの仲間のほとんどは、背中にある背ビレ、体の後ろのお腹側にある臀ビレをつかって前にすすみます。マンボウは尾ビレがない特徴的な体つきをしていますが、背中側の背ビレ、お腹側の臀ビレが大きく発達し、力強く前に進むことができます。

 フグの仲間の行動のことをもっと知りたい!という方は、海響館3階トラフグ水槽付近で展示している「ズームアップ フグのふしぎ」を見に来てください。もっと詳しい情報を、生き物とともに展示しています。今年の2月8日までとなっておりますので、是非お越しください。また、2月9日からは新テーマへ展示が変わりますので、こちらもお楽しみに!!

魚類展示課 荻本 啓介

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