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第229回「イルカの仲間」

 海響館では「バンドウイルカ」と「スナメリ」という2種類のイルカの仲間が暮らしています。バンドウイルカはマイルカ科、スナメリはネズミイルカ科に属するイルカの仲間です。胸ビレがあること、後足がないこと、尾ビレが体に対して水平についていることなど、外見上で共通していることはたくさんありますが、今回は違う部分に着目してそれぞれの特徴を知ってもらいたいと思います。

 まずは体の大きさに注目してみましょう。

 バンドウイルカは体長が3mほどになるのに対し、スナメリは1.9mほどにしかならず、イルカ(クジラ)の中でも、体が小さな種類です。上の写真は実際に海響館で暮らす推定年齢23歳のスナメリの「ひびき」と、ひびきと同じくらいの年齢のバンドウイルカ「パール」を並べてみたものですが、体のサイズが大きく違うのが分かると思います。

 次に顔を見てみましょう。

 バンドウイルカは口が前方に突出している吻がありますが、スナメリには吻がなくつるんとしています。また歯の形にも違いがあり、バンドウイルカは円錐状で先端が尖った歯をしており、スナメリはしゃもじの様な形の歯を持っています。

 最後に背ビレを見てみましょう。バンドウイルカには泳ぐ時のかじ取りの役目をしている大きな背ビレがあります。一方、スナメリは、英名で「Finless porpoise」(ヒレなしイルカ)と表すように背ビレがなく、これがスナメリの大きな特徴となっています。背中の中央には肩のあたりから尾ビレの近くまで隆起があり、その上に小さい突起が連なっています。これは粒状突起と呼ばれ、スナメリはこれを互いに擦り合わせてコミュニケーションをとっていると言われています。

 いかがでしたか。同じイルカの仲間でも様々な違いがありましたね。今回紹介した他にもたくさんの違いがあります。トレーナーとして一緒に過ごす中で、彼らの違いをさらに見つけていき、もっとよく知っていきたいと思っています。

海獣展示課

郷間 春菜

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