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第226回「これであなたもアザラシ通!?」
現在海響館のアザラシプールにはオスの「タル」、「タケル」と、メスの「ワカ」の3頭のゴマフアザラシが暮らしています。3頭のうちタケルは海響館生まれで、今年の2月7日で8歳を迎えました!オスのゴマフアザラシは3、4歳で性成熟するので、タケルは十分に成熟したオスのアザラシです。無事に成長してくれてうれしい限りです。
そんなタケルですが、同じプールで生活しているワカと体の大きさが同じくらいなので、パッと見ただけでは2頭の区別がつかない方が多いと思います。ですが、2頭は性別が異なるのでそこで見分けることができます。そこで、今回のイルカアシカ情報ではアザラシの通になれる!?オスとメスを見分けるポイントをご紹介しましょう。
下の写真のお腹のあたりをよくご覧ください。胡麻斑(ごまふ)模様に紛れていますが、タケルはくぼみが1つと穴が1つ縦に並んでいて、ワカにはくぼみが三角形を描く配置で3つあるのがわかります。
タケルもワカも上部のくぼみはおへそです。そして、タケル(オス)の腹部にある穴は「生殖孔」といい、普段は生殖器がしまわれており、交尾時だけこの生殖孔から出てきます。一方、ワカ(メス)の2つのくぼみは、おっぱいが隠れている部分なんです。似ている2頭ですが、お腹をよ~く観察してオスの特徴があるのかメスの特徴があるのかを知ることで見分けることができます。ちなみに、タケルのおしっこはもちろん生殖孔から出てきます。
春先のこの時期はゴマフアザラシの繁殖期なので、オスのアザラシは繁殖に向けて発情し始めます。タケルはこの時期になると、ワカへのアピールなのか?タルへの威嚇なのか?唸る行動が良く見られるようになり、毎年タケルが唸り始めるともうすぐ春だなぁと感じます。3頭が元気よく健やかに春を迎えられるように、これからも温かく見守り続けていきたいと思います。
海獣展示課
墨 則和