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第204回「アザラシの爪切り」

 アザラシにも人間と同じように爪があるのをご存知ですか?写真のように前足と後足、それぞれに5本の指があり、爪が生えています。人間の爪と同じようにアザラシの爪も伸びてきます。

 自然界のゴマフアザラシは氷の上を移動する時に滑り止めとして爪を使うなど、生活の中で自然に爪が削れますが、水族館ではどうも爪を使う機会が少ないようで、伸びすぎることがあります。爪が伸びすぎると、巻き爪のようになることがありますし、ひび割れたり、折れてしまったりと怪我につながるかもしれません。また、時々前足で顔をかいている行動を見ますが、もし爪が目に触れると傷になることも考えられます。そのため、海響館では伸びすぎないように爪切りを行っています。使うのは、大型犬用の爪切り!

 とはいっても、もちろん最初からアザラシたちがパチパチと爪切りをさせてくれるわけではありません。爪切りをさせてくれるようにトレーニングするのです。最初はトレーナーの手に前足を乗せることから始め(犬のお手のような感じです)、爪切りを近づけたり、爪を叩いて刺激を与えてみたりを繰り返し、アザラシたちがリラックスしていられるように少しずつ慣れさせていきます。そんなトレーニングを重ねた結果が写真のとおり!「どうぞっ」という感じで、嫌がることなく爪切りをさせてくれます。

 爪切りもアザラシたちにとっては大切な健康管理の一つです。動物たちの健康のために行っていることは他にもありますが、どれもトレーニングの積み重ねと動物たちの協力がなくてはできない事なのです。

海獣展示課

田代 真菜

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