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第178回「ピッ?カチッ?」

ショーやトレーニング中にトレーナーが口に咥えて「ピッ」と吹いているあの笛の意味を知っていますか?お客様の中には、笛を吹くと…イルカがジャンプをする、笛を吹くと…イルカが集まってくると思われている方も時々いらっしゃるのですが、本当は動物たちの行動を褒めるための道具なのです。「その行動、良いね」(「OK」や「GOOD」)という意味を伝えるものだと考えてください。水族館で多くのトレーナーがこの笛を使うのは空中だけではなく水中でも聞こえるからで、動物が離れていたりトレーナーが視界に入っていない場合など、どのような場面でも最適な瞬間を逃さずに「良いね」と伝えることができます。しかし、動物たちにとって最初から笛の音に意味があるわけではありません。トレーニングの手順を踏むことによって、笛の音に意味を持たせているのです(これを条件付けといいます)。

また、状況や動物によってさまざまなものを笛と同じ意味で使います。例えば、トレーナーが手を叩く音やトレーナーの「よしっ!」という声、動物の体を触るなどです。

最近、海響館ではアシカのトレーニングに“クリッカー”というものを使い始めました。“クリッカー”も動物トレーニングではよく使われるもので、写真の銀色の部分を指で押すと「カチッ」という音が出ます。
皆さんが目にするトレーナーの道具には、見ているだけでは分からないこのような意味があったのです。トレーナーの持ち物に気になるものがあったら是非質問してみて下さい。きっと新たな発見がありますよ。

海獣展示課

原田 一孝

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