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よく「見て」いる

 皆さん、イルカはどのように周りを見ているか知っていますか?

イルカといったら「エコーロケーション」でしょ!と思われた方もいるかもしれません。

エコーロケーションとは何かというと、日本語では反響定位(はんきょうていい)と呼ばれ、超音波を発してどこかに当たってはね返ってきた時間で、物との距離や大きさを測ることを言います。魚群探知機と似たような仕組みですね。ゾウや昆虫など多くの動物は超音波を使っているといわれており、その中でもイルカやコウモリはこの超音波を用いて位置などを測るエコーロケーションをしていることが良く知られています。水中で生活するイルカは、視界が悪かったり、光が届かない環境に適応してエコーロケーションの能力を獲得してきた動物で、「音で見る」というような言われ方をすることもあります。しかし、イルカたちは目で見ることをしないわけではありません。

 イルカの視力はおおよそ0.1とされており、左右の眼はばらばらに動かすことができるようです。眼の焦点の合う場所が二方向にあって、前方向と斜め後ろ方向がよく見えるようになっており、片方の眼で前を見て、もう片方の眼で斜め後ろ方向を見るということができるといわれています。まるで海のカメレオン・・・?

 また、水面上もよく見えているんです。それを証明するのが、私たちトレーナーが出す様々な合図を見分けていることです。

例えば、動画のような合図があります。

イルカたちはこんなに細かい合図の違いをしっかりと見分けているのです。

 イルカは人間が思うよりずっと、様々なものを目で見て生きているのかもしれませんね。もしかしたら皆さん一人一人の顔の違いも見られているかもしれませんよ。

海獣展示課

安野花音

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