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幻のおいしい魚

「高級魚」と聞いて、皆さんは、どんな魚を思い浮かべますか?トラフグ?クエ?キンメダイ?確かに、特別なときにしか食べられないメンツ!けれど、この面々を凌ぐかもしれない、激レアな、おいしい、超高級魚が海響館には泳いでいます。その名は、シロアマダイ!!

 

おいしい魚!

シロアマダイは名前の通り、アマダイの仲間。キョロっとした眼や顔つきが、どことなくマダイなどに代表されるタイの仲間に似ているような気もしますが、実は別のグループに属する魚です。この仲間で一番よく目にするアカアマダイは、上品で淡白な味わいが特徴です。このアカアマダイに比べ、シロアマダイは体が白っぽく、60cmくらいに成長します。そして最大の特徴は、アマダイの仲間随一の美味しさ!インターネット上で目にする感想は、こちら。

すごい!食感、旨味、どれを取っても一級のようです!

 

激レアな高級魚

まずは食べてみたい!そう思ってよだれを垂らしながらお値段を調べてみると、その価格は衝撃の1kgあたり10,000~15,000円!!!!高級魚として有名なトラフグと比べると、その価格の差は一目瞭然。

理由は、美味しさに加えてそのレアさ。シロアマダイの漁獲量は、同じ仲間のアカアマダイの50~100分の1以下(東シナ海の底曳網漁の場合)というデータもあるほどです。

すごく美味しいのに、なかなかとれない!これが、シロアマダイが高級魚たる所以だったのです。

 

山口県の快挙と、ご協力
2019年、そんなシロアマダイを食べたい私にとっての朗報が!山口県が、全国で初めて、シロアマダイの種苗(親魚から卵を得て、卵から人の手で育てられた稚魚のこと。この稚魚を海に放流して、海の魚の数を増やす試みを、種苗放流といいます)の大量生産に成功したというのです!シロアマダイは、生きた親魚を得ることも難しく、その生態(エサやすみか、繁殖の方法など)もあまりよく知られてはいません。そんなシロアマダイの種苗を根気強く育成されたことは、まさに全国に誇る快挙!

もしかしたら将来、海で取れるシロアマダイの量が増えて、私たちの口にも入る日がやってくるかもしれない!そんな夢のある研究なのです。

 

実現!シロアマダイの展示!
そんな山口県の取り組みやシロアマダイのことを、展示でお客様にお伝えしたい!と思い、山口県に問い合わせたところ、なんと2021年、研究の結晶であるシロアマダイの種苗を海響館に譲渡いただけることに!海響館で飼育するのは初めてなので、エサや水槽の広さ、水温に至るまで、種苗の育成に取組まれた研究員の方々にたくさんアドバイスを頂きました。こうして、2021年11月3日から、海響館でシロアマダイの展示が始まりました。

 

発見がいっぱい!生きた姿!
私たちスタッフも初めて飼育する生きたシロアマダイたち。きらめくウロコ、尾ビレに入った蒼い筋など、生きている時ならではの美しさも見せてくれます。また、彼らは水槽の砂を掘る習性があることもわかりました。

近縁なアカアマダイは砂地に巣穴を掘って生活することが知られていることを考えると、シロアマダイもまた、砂を掘って巣を作るのかもしれません。知られざるシロアマダイの生態を垣間見るような、ワクワクを感じます。
展示中の個体は、現在約2歳。まだまだ大きくなります。市場でも滅多に見られないシロアマダイの生きている姿は、更にレア!是非、「幻のおいしい魚」シロアマダイを、海響館に見に来てください!

 

※展示個体は、山口県水産研究センターと公益社団法人山口県栽培漁業公社が水産庁委託事業「さけ・ます等栽培対象資源対策事業」により生産した個体を譲渡頂いたものです。

魚類展示課 荻本啓介

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