menu

loading...

「美味sea(おいしい)水族館」魚食レポート前編 ~広島県三次市編~

 水族館で魚を見ていて、「この魚美味しそうだな~。」と感じる人は意外と多いのではないでしょうか。また、それと同時に、そのように思うのはタブーだと感じる人も多いと思いますが、実はそんなことはありません!

 

 海響館では海の生き物たちを、展示・観賞するだけではなく、海の恵みとしての側面にスポットを当て、水族館だからこそできる切り口から日本各地の魚食について紹介する特別企画展「美味sea(おいしい)水族館」を令和3月7月3日から10月31日まで好評開催中です・・・が、残念ながらコロナの影響で令和3年8月21日から臨時休館となってしまいました。

 

 そこで、本企画展の中で紹介している、各地の魚食について直接現地に出向いて取材した様子を、実体験レポートとしてお伝えします。

 

 まずお世話になったのは、広島県三次市にある「フジタフーズ」さん。現地に到着すると「わに料理」という大きな看板が目に入りました。「わに」というと海の恵みというよりは川や沼じゃないかと思ってしまいますが、「わに」とはこの地方では「サメ」のことです。サメとはいっても一般的にはあまり口にしない生き物ですよね。しかし、サメの仲間は体内にアンモニア成分が多く腐りにくいため、流通技術の発達していない頃に内陸部である三次地方などに運ばれて食べられるようになったとのことでした。

 

 

 

 最初に出てきたのは「わにの刺身」。何もつけずにいただくと確かに少し独特の酸味を感じましたが、ショウガ醤油でいただくと相性バッチリ。とても美味しくいただけました。現在は流通技術の発達に伴い、新鮮なアオザメやオナガザメの仲間を食材として使用しているそう。次は何かな?と待っていると、出るわ出るわ・・・わにカツに、わにソーセージ、わにカルパッチョにわにの酢の物など。デザートには何とわにプリン!コラーゲンたっぷりでさっぱりと食べられました。

 

 

 

 なんでもコラーゲン成分を抽出するために地元の高校と共同で研究を行ったのだそう。その珍しさから、最近では地元の人よりも観光客に人気とのことで、その後も地元の活性化のために様々な商品を開発されたとのこと。その熱心さには頭が下がります。店内にはその他さめグッズも多く並び、お土産にはさめサブレもいただきました。

 

 

 その後も三次市内を散策していると各所に「わに」の文字が。地元のスーパーマーケットにもパックされた「わにの切り身」が売られていました。この地方では「わに」が愛されているのを感じます。

 

 

 次回は、広大な干潟が広がる地域の魚食についてお伝えします。お楽しみに!

 

魚類展示課 石橋將行

PAGETOP