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「ヒラメ」と「カレイ」ってどう違う!?

 皆さんこんにちは!おさかな探検隊員の柿野です。今回は皆さんにもおなじみのヒラメやカレイについてお話していこうと思います。どちらも美味しい魚としてはもちろん、非常に不思議な見た目をしているのも特徴ですよね。目が片方に寄り、目のある方が茶色っぽく、反対側はほぼ真っ白な色をしています。ではヒラメとカレイはどこがどう違うのでしょうか?よく返ってくる答えは「ヒラメが左向きで右向きはカレイ!」です。この返答は間違いではないのですが、全てのヒラメやカレイに当てはまるかと言えば答えはNoです。

 

 まずヒラメとカレイの関係ですが、カレイ目という大きなグループがあり、その中にヒラメ科とカレイ科があります(その2つ以外にもあります)。「ヒラメ」と言えばほとんどがヒラメ科の標準和名「ヒラメ」という魚を指しますが、実は「カレイ」には標準和名が「カレイ」という魚はいません。「イシガレイ」や「マコガレイ」といったカレイ科の仲間全般を「カレイ」と呼んでいるのです。

 

 

 カレイ目全ての魚が、生まれつき片側に目があるわけではなく、生まれた時には普通の魚と同じく目が体の両側にあるのですが、ホシガレイの場合、ふ化35日後頃(全長約16 mm)から徐々に片側に寄っていき、ふ化60日後(全長約27 mm)では完全に片側に寄った状態になります。

 

 

 右向きのヒラメとカレイの仲間「マガレイ」の口を比べてみました。写真を見ると、ヒラメは目の真下あたりまで口が開いていますが、マガレイは目よりも前の位置までしか開いてないのが分かります。これは普段食べているエサに関係し、ヒラメは大きな口を開いて生きた魚やイカ、エビなどを食べるのに対し、カレイの仲間はゴカイや小型の甲殻類などを食べている為、小さいおちょぼ口なのです。

 

 

 上の2枚の写真の魚はそれぞれ目の下に口がある状態にすると、それぞれ左向き、右向きですが何とどちらも「ヒラメ」です。稀にですが、こういった本来の向きとは逆で成長する個体がいます。

 

 ここまでヒラメとカレイの違いを紹介しましたが、例外もあり、例えばカレイの仲間の最大種「オヒョウ」はヒラメのように口が大きく、「ヌマガレイ」は、日本国内で見られる個体のほとんどが左向きです。また、ヒラメの仲間にも「メガレイ」や「テンジクガレイ」などカレイと名の付く種類もおり、私たち水族館スタッフにとっても非常にややこしい生き物です(笑)。

 

 ヒラメは高級魚として扱われ、刺身などでよく食べられていますが、カレイは煮つけなどが定番ですよね。身質が異なる為、それぞれに合った食べ方が定着したものだと思いますが、どちらも生でも火を通しても美味しい魚です。

 

 不思議な魅力を持ったヒラメやカレイの仲間、是非水族館や鮮魚店などで見かけた際は、じっくりと観察してみて下さいね。

 

魚類展示課 柿野敦志

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