アザラシの体を見てみよう

 海響館にはゴマフアザラシという種類のアザラシがいます。アザラシは多くの水族館や動物園で見ることが出来るのでみなさんも1度は見たことがあると思います。では、アザラシがどんな動物かはご存知ですか?見たことはあるけどどんな特徴がある動物かは知らない方も多いはず。そこで今回はゴマフアザラシの体の色々な部分に注目しながらみなさんにご紹介していきましょう。
1.前脚と後脚
 アザラシの前脚、後脚は指の間に水かきがあり鰭のようになっています。このことからアザラシは鰭脚類(ききゃくるい、ひれあしるい)という仲間に含まれます。
 同じ鰭脚類の仲間にはアシカやトド、オットセイもいます。
 前脚、後脚には5本の指があり、ちゃんと爪も生えています。この前脚、後脚は水中を泳ぐ時や陸上ではどのように使うのでしょうか?
 アザラシは水中を泳ぐ時は後脚を左右交互に振って前に進み、前脚は方向転換などの舵取りに使います。しかし、陸上を移動する時は前脚、後脚は使いません。アザラシの前脚は体の大きさに対してとても小さく、後脚は腰より前に折り曲げることが出来ないので地面には届かないのです。
 ところが、前脚にはちょっと変わった使い方もあるんです。それは陸上で相手を威嚇する時!!
 小さな前脚で脇の辺りをポンポンと叩きます。陸上に横たわったアザラシが力いっぱいお腹を叩いて敵を威嚇する姿は、アザラシ達にとっては緊張感いっぱいなのでしょうが、私達が見るととってもかわいらしく思えます。

2.ヒゲ
 アザラシのヒゲは感覚毛と呼ばれ、その毛根にはたくさんの神経が集中していて、餌となる魚などの動きを感じとるセンサーになっています。ヒゲのおかげで、アザラシは餌の魚が動いた時の振動と位置を正確に感じることができます。水中では、深く潜る程光が届きにくくなり、暗くなります。視力によって餌を探し出すには限界があるため、光の届かない海底でも餌を探し出せるようにヒゲが発達したのです。そして、何かものに触る時にはこのヒゲが「ピーン」とたち、周囲の状況を判断するために利用しているのです。
 そして、ゴマフアザラシのヒゲは良く見ると表面が滑らかではなく凸凹した波をうったような形をしています。これもアザラシの特徴の1つなので、ヒゲの形にも注目してよーく観察してみて下さい。
アザラシヒゲ
アザラシのヒゲ

.3.耳
 アザラシの耳はどこにあるのでしょうか?
 パッと見ただけでは分かりにくいのですが、良く見てみると目の後ろに小さな穴があいています。これがアザラシの耳なんです。アザラシの耳は体の外に出ている部分(外耳)がないので、体の模様にまぎれて見えにくいですが、近くで見ると穴が開いているのがわかります。
 ゴマフアザラシは、この耳を使ってエコロケーション(反響定位)を行うという説があります。エコロケーションとは、潜水艦のソナーや魚群探知機などと同様に音波を発生し、その音波が物に当たって反射した音を聞くことにより、その物の形や大きさ、位置などを知ることが出来るというものです。夜間や光の届かない海中など真っ暗な状況でも、餌となる魚や障害物、外敵の存在など、周囲の状況を把握することが出来るのです。
アザラシの耳
アザラシの耳


4.鼻
 アザラシは海で生活していますが私達人間と同じ哺乳類の仲間です。呼吸はもちろん肺で行います。
 アザラシの鼻の穴は、普段は閉じていて呼吸をするときだけ開きます。潜水中は鼻の穴をしっかりと閉じて肺に水が入らないようにしており、時々水面に上がって鼻の穴を広げて呼吸をします。鼻の穴は水に浸ると反射的に閉じるので、水中でどんな姿勢になっても鼻に水が入ることはありません。
アザラシの鼻の穴
あいている状態
1
閉じている状態
 いかがだったでしょうか?アザラシについて少し知って頂けましたか??
 1日に3回行われているアザラシのパックンタイムでは、今回紹介した体の特徴やアザラシの実際の動き、また、アザラシがどんな餌を食べているかなどの解説+トレーニングの様子を見ることが出来ます。海響館にお越しの際は実際にアザラシを観察してみて下さい。様々な発見があるかもしれませんよ!


海獣展示課 長田 綾子
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