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第81回   「私たちに身近な鯨 スナメリ」        

 海響館には現在2頭のスナメリがいます。オスのひびきとメスのサラです。2頭が作る”天使の輪 バブルリング”を見ようと、スナメリプールの前には毎日多くのお客様でいっぱいです。そして、7月5日から新しいパフォーマンス”バブルライン”も登場し、ますます2頭は人気者となっています。そんな今話題の(!?)スナメリ達。実は海響館のすぐ近くの海でも見ることができるのです。今回は野生のスナメリを観察したときの様子をご紹介しましょう。

 旧下関水族館があった長府に、関見台公園があります。砂浜に面していて、海を一望できるこの場所では、なんと砂浜から肉眼でスナメリの姿を見ることが出来るのです。といっても、見に行ってすぐに現れてくれるわけでも、必ず見えるというわけでもありません。辛抱強く時には何時間もひたすら海を眺めます。スナメリの体には背ビレがありません。観察場所が海面の水位と大きく変わらない時は、背中が現れてもバンドウイルカなどの背ビレがある鯨類よりも、その姿が捕らえにくいのです。スナメリ観察に慣れないうちは、ずっと眺めていると、波の動きがスナメリの黒っぽい背中のように錯覚してしまうこともあります。
 5月のある日、じっと観察しているとトビがやってきました。トビが海面上を旋回し始めたら要注意!トビは魚を狙います。ということは、トビの下には魚がいて、その魚を追いかけてスナメリが来ている可能性があるということです。その日もトビが旋回した後、魚が一斉に跳ね始めました。その直後です!砂浜から20メートルくらい沖にスナメリが現れました。3〜4頭くらいでしょうか。魚が跳ねながら移動する方向にあわせてスナメリ達の背中が現れるため、スナメリ達が魚を追いかけているのがわかりました。背ビレのないスナメリでも、海が凪いでいて、かつ晴れている時はスナメリの背中が太陽光に反射し、ギラッと背中が光るので分かりやすいのです。魚を必死で追いかけた後に一息ついているのでしょうか、呼吸をするために何回か水面に現れた後、また魚を追いかけて数分間潜っているようでした。その動きはとても早く、一度水面に姿を現すと次の瞬間にはまったく別の場所に姿を現しました。その為姿をとらえてからは、海から一瞬も目を放すことができません。といっても同じ所を見続けるのではなく、スナメリが現れた地点から広く視点を変えることがポイントです。

身近な鯨類、スナメリ
身近な鯨類、スナメリ
関見台公園
関見台公園
関見台公園から眺めた海
関見台公園から眺めた海
魚が一斉に跳ねる様子
魚が一斉に跳ねる様子
姿を現したスナメリ
姿を現したスナメリ

 何度観察しても、スナメリを発見したときは感動し、思わず声を上げてしまいます。下関にお住まいの方はもちろん、そうでない方も下関にお越しの際はぜひ関見台公園に足を運んでみて下さい。そして野生のスナメリ観察に挑戦してみてください。辛抱強く粘っていると、きっとその姿を見せてくれることと思います。

海獣展示課 福神 仁美
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