第8回 イルカたちってどうしてトレーナーの指示通りにできるの?
 見事なジャンプなどが見れるイルカのアトラクションは、海響館一の人気コーナーです。そのアトラクションの中、イルカ達はトレーナーの指示に従って実に見事な演技を見せてくれますよね。なんで人間の言葉の分からないイルカ達がトレーナーの指示通りに動けるのかちょっと不思議になったりしませんか?そこで今日は、イルカ達がどうしてトレーナーの指示通りに動くことができるのかについてお話ししましょう。

 そもそもイルカ達がアトラクションで行っている行動は、基本的にはイルカが本来自然界で行っている行動の一部を引き出しているものなのです。みなさんの中には「トレーナーがむりやりジャンプさせたりしているんだ」って思っている人もいるかもしれないけどそんなことは決してありません。ただ、人間にも人見知りしたり運動神経がとっても良かったりちょっと運動が苦手だったりいろんな人がいますよね?それと同じで、イルカにも遊び好きでいたずら大好きだったり、ちょっと消極的で恐がりだったり、好奇心旺盛でトレーナーがはらはらするほどちょっと危なっかしいことを平気でやってしまったり・・・本当にいろんな性格のイルカがいるのです。そんないろんな性格のイルカたちですから毎日本当にいろんな行動を生活の中で私たちトレーナーに見せてくれます。「その毎日の生活をじっと見ること。」そこからトレーナーの仕事は始まるのです。その動きの中から、アトラクションの中でみなさんにお見せする動きを拾い出して、ようやく「トレーナーの合図によってその動きが出来るようになる」ためへの練習が始まります。


 ではどうやって練習するのでしょうか?ここでは、ジャンプを例にとってお話ししましょう。

<第一段階>
 トレーナーはイルカと一緒に触れ合ったり遊んだりして一緒に過ごしながら、イルカがお目当ての動き「ジャンプ」をしてくれるのを待ちます。イルカが、何かの拍子で「ジャンプ」をすると、笛を吹いて近くに呼んで餌をあげます。その後、また一緒に遊びながら、イルカがジャンプをしたときに笛を吹いて餌をあげるという行動を繰り返します。こうすることで、イルカに「ジャンプをしたらご飯がもらえるんだな!」ということを覚えてもらいます。

 

ジャンプ

<第2段階>
 ジャンプをする前にあるサインをイルカ達に見せ、サインを見た後にイルカが「ジャンプ」をすると笛を吹いて餌をあげるという行動を繰り返します。ここで重要なのは、イルカが「ジャンプ」以外の行動をしたら、決して笛を吹いたり餌をあげたりしないこと。だって、「ジャンプ」以外の行動をしたときに餌をもらえたら、イルカ達は「‘?’なにをしても笛を吹いたり、餌がもらたりするのかな?」と混乱してしまうのです。かわいい目をして寄ってくるイルカ達の顔を見るとついつい餌をあげたい気分になることもあるのですが、イルカ達といい信頼関係を築くためにもここはぐっと我慢です。こうして、イルカが「このサインの時にはジャンプをすればいいんだ!」ということを理解するのです。

<第3段階>
 最後の仕上げとして、アトラクションの中でとしてみなさんにお見せするためへの練習が始まります。いろんな行動と組み合わせたり(例:ボールに向かってジャンプ)他のイルカ達と一緒に行動したりすることになれさせます。


ジャンプのサイン
1.片手を肩のあたりへ 2.その手を頭の方向へ挙げる 3.空高く突き出すように手を伸ばす

 今度海響館のアトラクションを見るときには、ぜひトレーナーの動きにも注目してみてくださいね。ここに書かれていた動きがいくつか見ることが出来るでしょう。

動画を見る
前半は「ジャンプ」のサインとそのサインによってイルカが行うジャンプ。後半は「ジャンプ」より少し高度な「ロープジャンプ」。前半と後半でトレーナーの出すサインの違いにご注目下さい。
 
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ダウンロードはこちらから可能です。

海獣展示課 渡邉 淳子
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