第74回 イルカやアシカ達の食べ物


 みなさんこんにちは!!日中はまだ暑い日が続くものの、朝晩は涼しくなってきて、いよいよ秋到来ですね。秋といえば「食欲の秋」!!そこで今回は、海響館のイルカやアシカ達の食べ物について紹介したいと思います。

 海響館にはカリフォルニアアシカ、オタリア(アシカの仲間)、ゴマフアザラシ、バンドウイルカ、スナメリの5種類の海に住む哺乳類がいますが、みんなに共通する食べ物、それは魚(ときにはイカ)なんです。海草や、もちろん私たちが食べている牛肉・豚肉などは食べません。主に魚をあげています。

 海響館では、普段私たちの食卓にものぼるなじみの深い魚をあげているんですよ。その種類はアジ、シシャモ、ホッケ、サバ、サンマ、スルメイカなどです。
 実はこのように様々な種類の魚を使っているのにはいくつかの理由があります。ひとつは、動物にとっての刺激のためです。私たちも毎日同じ食事だと飽きてしまいますよね。いろんな魚を使うことによって大きさや食感も異なります。限られた空間の中で、動物たちが少しでも楽しく暮らせるようにこれらのことが必要になります。もうひとつは動物たちの健康のためです。動物たちは野生下においても色々な種類の魚などを食べています。そして餌にする魚の種類によって栄養のバランスは異なります。栄養の偏りを防ぐ為にも何種類かの魚を与える事が必要不可欠となるのです。また、もし一種類の魚だけをあげていたら、その魚が何らかの理由で入手出来なくなった場合、他に何も食べられなくなってしまうかもしれません。しかし、普段から様々な種類の魚を使うことで問題は起こらないのです。
 もちろん私たちは魚の鮮度についても気を配っています。私たちは餌となる魚を業者から購入しているのですが、購入する前には必ずサンプルをもらっています。そして、そのサンプルで、鮮度はどうか、変な臭いはないか、体の張りはどうかなどを十分にチェックしてから購入します。他にも餌については日常から気を使っており、例えば一度床に落ちて汚れてしまった魚は使用しません。また、傷ついて肉質が変化したり、脂質が酸化してしまったものは、厳密にチェックして取り除きます。これらは動物たちの健康を第一に考えてのことです。さらに、餌を入れたバケツには常にたっぷりの海水を張り、魚が乾燥しないようにしています。乾燥もまた痛みの原因になるのです。このように私たちは動物たちに対しても、人間と同じように食べ物は重要だと考えています。
バケツに分けられた餌
バケツに分けられた餌
大量の餌をストックしている冷凍庫
大量の餌をストックしている冷凍庫
傷ついた餌は無いかチェック中
傷ついた餌は無いかチェック中
 ところで、イルカやアシカたちは一日にどのくらいの量を食べているのでしょうか。私たち人間が一日三食食べるのだから、動物たちも大きめのお皿に3杯くらい・・・?と思った方いらっしゃいませんか?正解は、もーっとたくさん。イルカで一日約15kg、アシカで一日約10kgものお魚を食べているのです(個体によって差はありますが)。ではもう少し分かりやすくするために熱量に換算してみましょう。私たちが食べるお茶碗一杯のご飯は250kcal。イルカが一日に食べる量は約22,000kcal、アシカが一日に食べる量は約14,000kcalです。つまりイルカで一日約88杯、アシカで約56杯ものご飯を食べていることになります。体が大きい分たくさん食べるのはもちろんですが、海に住む動物たちは一日の大半を水中で暮らすことになります。水中では空気中よりも熱が奪われやすいため、動物たちはたくさんの量の魚を食べ、脂肪を蓄える必要があるのです。
いろいろな種類の餌を食べるイルカたち
いろいろな種類の餌を食べるイルカ達


 私たちは動物たちの体重をもとに一頭一頭の餌の量を決めています。イルカ、アシカは1週間に1回、スナメリは2週間に1回体重測定をし、体重の変化を見ながらカロリー計算をしてメニューを変えているのです。前回の体重測定時よりも体重が大きく変化していれば、季節や年齢、運動量などを考慮して調整します。例えば、体重を少し減らしたいときは熱量が多い魚を少なめにします。肥満によって人間でいう成人病などの病気になる可能性もあります。動物たちも私たち人間と同じように健康のために、ときにはダイエットも必要になるのです。また、逆に体重を増やしたいときは熱量の多い魚を多めにしたりしています。ちなみにボリュームたっぷりと言える魚はサンマやサバ、ヘルシーでダイエット向きと言える魚はチカという北方の海でとれる白身の魚です。
 海響館のイルカやアシカ達はこんなふうに毎日たくさん食べて元気に過ごしています。私たちも健康に気を付けながら、おいしいものをいっぱい食べたいですね。


海獣展示課 福神 仁美
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