海響館のイルカプールには、立派な大屋根があるものの、風の強い日には海風がビュービューと吹きぬけます。その日もとても風の強い日でした。風に飛ばされた青い大きなビニール袋がプールに落ちてしまったのです。目ざとく見つけたパールはそのビニール袋をくわえてしまいました。海響館のイルカたちはビニール袋などの異物をトレーナーのところに持ってくるようにトレーニングしているのですが、その時のパールはビニール袋を持ったままプールの底に潜ってしまったのです。そして、次に水面に出てきたときにはもうビニール袋は無くなっていました。私たちスタッフは慌ててプール内を探しましたがどこにもなく、状況からパールが飲み込んだとしか考えられませんでした。イルカは魚を消化することができても、ビニール袋は消化することができません。お腹のどこかに引っかかって、詰まってしまったら大変です。
イルカは異物を飲み込んだ後、自力で吐き出すことがあります。私たちは、数日様子を見ることにしました。しかし、2週間経っても、パールがビニール袋を吐き出した様子はありませんでした。こうなると、無理にでも吐かせるか、なんとかしてビニール袋を胃から取り出さなければなりません。そこで、内視鏡を使って胃の中の様子を確認して、ビニール袋を取り出すことにしました。朝早く集まったスタッフは、プールの床を上げて、パールを担架に乗せました。検査の間、パールの身体は半分以上水の上に出た状態になるので、スタッフはずっとパールの身体が乾かないように海水をかけ続けなければなりません。続いて、パールが口を閉じないように、パイプを噛ませて内視鏡を入れていきます。口から1m程挿入したところで胃に到達し、胃液でぐちゃぐちゃになった白っぽいビニール袋や葉っぱなど、いろいろなものが画面に映し出されました。パールは、私たちスタッフの見ていないところで、他にもたくさんの異物を飲み込んでいたのです。しかし、目的の青いビニール袋は確認できませんでした。 |
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| 担架に乗ったパール |
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| 体が乾かないように |
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| 内視鏡での検査 |
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| 最終手段 |
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| 取り出されたゴミ |
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