第65回 よ〜く見て

 今回は動物たちの顔をよーく見てみたいと思います。とはいっても、注目するのは
『ヒゲ』についてです。

 アシカやアザラシの顔を見てみるとオスでもメスでも立派なヒゲが生えていることに気付きます。人間のヒゲとはずいぶん違う感じがします。私たちは普段の生活の中では目で見ること(視覚)に大きく頼っていますが、アシカやアザラシたちは視覚と同時にヒゲによる感覚もとても重要だと言われています。アシカやアザラシたちの目は陸上・水中どちらでも機能し、夜間でも見ることができます。しかし、アシカやアザラシが潜る深く真っ暗な海や濁った水の中では見ることができません。そこで役に立つのが『ヒゲ』なのです。アシカやアザラシのヒゲの根元にはたくさん神経が集中しており、水中で魚がだす音や振動を感じることができます。ヒゲは敏感らしく、他の箇所(体や手足)は触っても平気でもヒゲは触られるのを嫌がります。
目が見えなくなってしまったお母さんアザラシが順調に子育てをする例がいくつもあることから、目よりもヒゲのほうが重要な感覚器なのかもしれません。
オタリアのひげ
オタリアのヒゲ
アザラシのヒゲ
アザラシのヒゲ
 アシカやアザラシに対しイルカにはヒゲがありません。しかし生まれてまもないイルカやスナメリの赤ちゃんにはわずかにヒゲが生えている場合があります。海響館のイルカやスナメリの顔をよく見てみると毛穴だけ残っているのが見つかります。
 動物たちの体の作りにはそれぞれの環境に合わせたいろんな理由があったりします。かわいいだけじゃない動物たちの顔をしげしげと眺めてみてくださいね。
スナメリ幼獣のヒゲ
スナメリ幼獣のヒゲ


おまけ
             海響館ヒゲ長ランキング

第1位 ムサシ(カリフォルニアアシカ・オス) 35.0cm
第2位 ダイチ(カリフォルニアアシカ・オス) 30.2cm
第3位 マウ(オタリア・メス)        30.0cm
                    (最長のヒゲを計測。2006年6月の値)

海獣展示課 須藤 怜
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