第49回 見つけたら教えてね

みなさんはここ海響館がある下関市周辺の海にクジラの仲間がいるのをご存じですか?海響館では、そんな下関市周辺に生息するクジラの仲間について調査や研究などの活動をしています。今回のイルカ君アシカ君では、飼育している生きものたちからはちょっと離れ、海響館が行っているクジラに関わる活動について少しだけ紹介しましょう。

 今、世界の海には約80種類のクジラの仲間が生息しているといわれています。ここ海響館のある下関市周辺の海にもクジラの仲間が生息しています。何というクジラの仲間か分かりますか??
 ・・・そう、それは「スナメリ」という名の小さなクジラです(写真1)。

 このスナメリというクジラ、大きくなっても2m程にしかなりません。つるるんっとした体にまーるい頭、そして他のクジラの仲間のように背びれを持たないのが特徴です。海響館では、このスナメリを中心に、調査や研究などの活動を行っています。
 その活動の一つに、自然界で死んで海岸に打ち上げられたスナメリの調査があります(写真2)。
 死んでしまった個体からは、実に多くの貴重な情報を得ることができます。例えば、胃の中に残っている食べ物。これを詳しく調べることで、スナメリが自然界で食べている食べ物が分かります。自然界で食べている食べ物が分かると水族館などで飼育しているスナメリに与える餌のヒントにもなります。
また、脂肪や筋肉、肝臓には環境ホルモンといわれている物質が蓄えられています。これらを分析することで海の状態を知ることもできます。
 山口県や北九州市の周辺では、死んでしまったスナメリの発見が年間に15頭前後ありますが、スナメリ以外にも、ハナゴンドウやオウギハクジラ、ミンククジラなどの報告もあります。そして、死んでいるクジラが発見されることがあれば、生きている状態で発見されることもあります。それは、漁師さんの網に生きたまま絡まってしまったり、生きた状態で海岸に打ちあがってしまうことがあるのです。
 私達は、そんなイルカやクジラたちのレスキュー活動も行っています。網に絡まっていたり、海岸に打ちあがったイルカやクジラは、そのまま海に帰しても病気になったり、死んでしまうことがあります。しかし、適切な処置をすることができれば、命を助けることができます(写真3・4)。
写真1 スナメリ“ひびき”
アシカの毛
写真2 打ち上げられたスナメリ
抜群の水はじき
写真3 レスキュー風景
写真4 レスキュー風景


 現在海響館で飼育展示しているひびき君、彼は、2001年の5月に漁師さんの網に絡まっていたところを発見され、私達が緊急保護したスナメリなんです。このように、適切な処置をすることができれば、元気になる確率も増えていきます。
 山口県や北九州市周辺の海でイルカやクジラを発見したら、海響館にご連絡下さい。私達職員が、かけつけます!!

海獣展示課 中村清美
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