第35回 イルカが食べられた!!
 海響館にはイルカたちの暮らしているアクアシアターを横からではなく水中の様子が見られる場所が一階にあります。そこでボーっとイルカたちを眺めていると皆さんもあることに気が付くと思います。それはパッと見るとよく似ていいるイルカたちも一頭一頭それぞれ特長があることです。イルカたちも体の模様や顔つきが違うんです。今回はその中で女の子のティアラについてのお話です。
 普段は仲良く暮らしているイルカたちも時にはケンカをしてお互いを噛むことがあります。その時にできた傷が白く跡として残り、体の模様のようになることがあるんです。イルカたちの歯はとても鋭いので普通は引っかいたような線状の跡が残ります。ティアラは他のイルカたちにはあまりない体の模様がたくさんあるので、わりと他のイルカたちよりも見分けがつきやすいんです。ティアラには直径5cmほどのまん丸い模様がいくつもあります。これがティアラの体の大きな特長になっています。
 ティアラにはなぜこんな模様があるんでしょうか?イルカたち同士でつけた傷跡ではなさそうですが、みなさんはなぜだかわかりますか?
バンドウイルカのティアラ
バンドウイルカのティアラ
ティアラの体の傷
ティアラの体の傷
 実はこの模様をつけたのは『サメ』なんです。サメといっても大きなサメではなく、全長30cmぐらいにしかならない“ダルマザメ”という種類の小型のサメです。このダルマザメがティアラに丸い模様を付けた犯人なのです。しかしながら、どうやってこんな跡をつけたのでしょうか。ダルマザメは英語で「クッキーカッターシャーク」→「クッキー生地の型抜きサメ」と言います。この名前からも想像できると思いますが、このサメは自分よりも大きな体をした動物からお肉の一部分をくり抜いて食べるんです。まん丸い口を相手に押しつけてそのまま体をクルッと一回転してきれいな丸形に切り取って食べます。
 海響館のイルカたちはもともと海で暮らしていたので、のんびりと泳いでいたところをパクッとやられたのかもしれませんね。ですが、この丸い傷跡はティアラに特に多くて他のイルカたちにはあまり無いんです。ティアラはダルマザメから見たら、よっぽどおいしそうに見えたのかもしれませんね。
ダルマザメ
ダルマザメ
お口を大きく開けたダルマザメ
お口を大きく開けたダルマザメ

海獣展示課 須藤 怜
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